肘部管症候群の症状となりやすい人の特徴とは?

2018/2/6 記事改定日: 2020/2/3
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

肘部管症候群とは、手の小指と薬指に痺れが出てくる症状です。ひどくなると日常生活や仕事、スポーツにも支障が出るので、早めの治療が大切になってきます。
この記事では、肘部管症候群の症状の特徴と原因について解説していきます。

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肘部管症候群の症状の特徴は?

肘部管症候群とは、尺骨神経が肘部管で圧迫されて小指と薬指に痺れを感じる病気です
尺骨神経は、手の小指側の感覚と手の筋肉を担当している神経です。この神経に障害が生じることで症状が現れます。

初期の頃は、小指と薬指の小指側半分に痺れを感じるようになります。進行すると、尺骨神経が支配する領域の筋肉が低下し、握ったり開いたりの動作や箸を使うなどの細かい動作がしにくくなります。
また、肘を曲げるとしびれが強くなるという特徴があります。

肘部管症候群の原因は?どんな人がなりやすいの?

肘部管症候群は、肘の内側にある尺骨神経に慢性的な刺激が加わることによって発症します。
主な原因は、尺骨神経が走行する部位のガングリオンなどの腫瘍、加齢による肘の変形、骨折の後遺症が挙げられます。

そのほか、これらの原因がない場合でも肘関節の運動を繰り返すような野球や柔道などのスポーツをしている人、大工などの職業の方は肘部管症候群を発症するリスクが高いとされています。

肘部管症候群は、どうやって治療をするの?

肘部管症候群の治療は発症原因によって大きく異なります。
ガングリオンなど物理的に尺骨神経を圧迫する病変や尺骨神経が靭帯などに圧迫されているときは、それらの原因を取り除くための手術が行われ、骨折後の変形が原因の場合にはそれらを修復するための手術が行われることもあります。

しかし、一般的な治療の流れは、第一に痛み止めなどを服用しながら肘関節を安静にし、炎症を鎮めることから始めます。多くはこのような保存的治療で症状が改善していきますが、保存的治療で改善しない場合、神経麻痺が生じているような重症な肘部管症候群では上で述べたような手術を行うのが一般的です。

おわりに:肘部管症候群は手術で痺れの原因を取り除くのが一般的

肘部管症候群は、ひどくなると手術が必要になってきます。手術を避けるためには早めの治療が大切です。肘部管症候群になりやすい人は、気になる症状に気づいたらすぐに整形外科に相談しましょう。

また、肘部管症候群の手術後は、衰えた薬指や小指の筋力を回復させるために、さまざまなリハビリを行います。手術で痺れはなくなっても、元の状態に戻るまでには時間がかかります。焦らずじっくりリハビリに取り組み、手の機能を回復させていきましょう。

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