記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/1 記事改定日: 2019/7/9
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
予防接種をした直後、サッカーやマラソンなどの運動部のトレーニングに参加してもいいのでしょうか?
今回は、予防接種を受けた後に運動再開できるタイミングなど、予防接種と運動の関連性について解説していきます。
予防接種の後は、体には特に変化がないとしても、激しい運動は避けるようにしてください。
激しい運動とは、マラソンやサッカー、水泳などの運動量が多く息の切れるようなものを長時間おこなうことをいいます。歩いたり自転車に乗ったり買い物に行くなど、日常生活のなかでおこなわれる程度の軽い運動であれば問題はありません。あえて体を動かすようなことはせず、普段通りに過ごしましょう。
激しい運動をすると動悸やめまいなどの体調不良になってしまうことがあります。これらの症状は予防接種の副反応として起こりやすい症状でもあるため、運動によるものなのか副反応なのか区別がつきにくくなります。
副反応が生じたときはできるだけ早い対処が必要ですので、副反応に気づきにくくなるような状況は避けるべきと考えられています。
また、予防接種の中には病原体を完全に無毒化せずに弱毒化したものを使用するタイプのものがあります。これらのワクチンは健康な状態で使用されば身体に害を及ぼすことなく抗体を作ることができます。
しかし、激しい運動で疲れがたまってしまうと、一時的に免疫力が低下によって弱毒化した病原体でも発熱などの症状を引き起こすことがあります。
予防接種を受けた後、24時間経っても何も異常がなければ副反応が出る可能性は低いと考えられています。
予防接種当日は日常生活レベルの活動に抑えておき、一般的に激しい運動は予防接種から24時間を過ぎてからにしましょう。
ただし自己判断はせず、予防接種当日でなくとも翌日などに激しい運動の予定がある場合には、医師に確認するようにしましょう。医師の判断にもよりますが、必ずしも24時間あけなくてはいけないこともないといわれています。
予防接種後には、副反応が出る可能性があります。副反応とは予防接種によって体がウイルスに感染したと勘違いして、炎症などの免疫反応を起こすことです。
具体的な症状には発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、悪心、嘔吐、下痢などがあり、注射部位が腫れたり痛んだりする場合もあります。腫れや痛みは2~3日、長くても1週間程度で治まるでしょう。
ただ、運動をして血行が良くなると、ワクチンが効きすぎたり効果が早く切れたりすることもありますので、運動の予定がある場合には予防接種をずらすか、医師にその旨を伝えてから予防接種をおこない、予防接種当日は体を休めましょう。
まれに予防接種の成分によって引き起こされるアレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こす人もいます。アナフィラキシーショックは通常接種後30分以内に起こる可能性が高いため、接種後30分間は何があっても平気なように医療機関内で安静にしていてください。
予防接種の効果をしっかり受けるために、予防接種をした日は激しい運動を控えて安静にするのが望ましいです。
また、運動をするしないに関わらず、予防接種後には副反応があらわれることがあります。予防接種を受けた後に気になる症状が出たときは、念のため病院に相談しましょう。