うつ病のときに仕事はどうすればいい?休職したら復帰できるの?

2018/2/6 記事改定日: 2018/6/8
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

うつ病の治療は、休養と服薬、精神療法が基本になります。回復までには期間を要することが多いため、周囲の人のサポートと長期間治療に専念できる環境を整えることが大切です。この記事では、うつ病克服のために重要な「接し方と仕事への向き合い方」について解説しています。

うつ病のときの仕事との向き合い方

近年、職場のストレスでうつ病になる人が増えているといわれています。

うつ病になりやすい人の特徴として

  • 責任感が強い
  • 真面目

ということが挙げられます。一般的には、職場でのプレッシャーやストレスがあったときに、自分の努力が足りないとか、能力が低いと過度に自分を責めてしまうタイプはうつ病になりやすいといわれています。

仕事でうつ病の症状が出た場合は、自分の状況を上司に伝え、業務量を調整してもらい、十分に休養がとれるようにしましょう。また、職場でのストレスが減らずにうつ病の症状が改善しないようであれば、治療のために休職することをおすすめします。

職場復帰するのときの注意点

復職に関しては、医師から復職が許可でた段階で準備をはじめましょう。
ただし、いきなり休職前の仕事量に戻すのではなく、少しずつ戻していくようにしてください。

最初はうまくいかないなどで、疲れてしまうこともあるかもしれませんが、焦らず徐々に慣れていくようにしましょう。復職をサポートしてくれる「リワーク(復職)プログラム」もあるので、利用を検討してみてもいいでしょう。

リワークプログラムとは?

リワークプログラムとは、うつ病で休職していた人が職場復帰を果たすときに、いきなり現場に復帰するのではなく、復帰に向けたリハビリを行うプログラムのことです。
医療機関や障害者職業センターなどで行われますが、規模が大きな企業では企業内で産業医を中心として行われることもあります。

プログラムは個人の症状に合わせて柔軟に決められますが

  • 職場へ決まった時間に通うことを習慣づけるためにリハビリを行う機関へ通所する
  • 集団生活への適応のためにグループでの作業やレクレーションをする

などのプログラムが行われ、プログラムに医師が関わっている場合には、認知行動療法などの心理療法が併用されることもあるといわれています。

多くは数か月のリハビリを経て、決まった時間の通勤、集団生活への適応ができると判断された段階で職場復帰を行うことになりますが、実際に職場復帰した後もアフターフォローを行うために事後のリハビリを行うこともあります。

薬を飲みながら仕事を続けることはできる?

うつ病の薬を飲みながら仕事を続けている人は大勢います。
しかし、うつ病の薬は日中の眠気や注意力散漫などの副作用を生じやすく、事情を知らない人からは「やる気のない人、さぼっている人」などという印象を持たれることも少なくありません。また、車の運転や危険な作業を伴う仕事は控えた方が無難です。
このようなトラブルを避けるため、うつ病の薬を飲んでいる人は、職場の上司などに相談し、適切なサポートを得られるようにしましょう。

うつ病の治療のために必要な「周囲の配慮」とは

うつ病を治療するうえでは、基本的な治療に合わせて、周囲の協力が不可欠です。その中でも、とくに慎重に考慮しなければいけないこととして、休養が挙げられます。

ストレスの原因となった仕事や家事等から離れて休養に専念するためには、周囲の人たちの理解と協力が必須です。周囲の人たちは、患者本人が治療に安心して取り組めるよう、十分に配慮してあげましょう。

また、うつ病の患者に接するときには、本人がプレッシャーを感じてしまうような言動はしないようにしてください。例えば、「頑張って」という声掛けは、「もっと頑張らないと」とプレッシャーに感じてしまうこともあります。また、気分転換に旅行に誘ったとしても、「断ったら悪い」と感じてしまう場合もあります。なるべく静かに休養できるように配慮しましょう。

家族が接するときにはどのようなことに気をつけたらいい?

うつ病の克服には、家族のサポートがとても大きく関わってきます。サポートのためには、うつ病という病気を正しく理解し、家族がうつ病であることをきちんと受け入れることが大切です。

家で何もしないでいても、それは怠けているのではありません。患者本人も、うつ病という病気と闘い苦しんでいるのです。家族はそのことをまず理解してあげましょう。

自宅の中では、安心して休養できる環境を整え、本人が休んでいいと感じれるような配慮をしてあげてください。励ましたり、叱ったりするのは避けた方がいいですが、症状を良くしたいという気持ちで気分転換をすすめたり、励ましたりしてしまうと、プレッシャーを感じてしまう可能性があるので注意しましょう。

うつ病の人には、相手に寄り添うような気持ちを持って接することが大切です。うつ病の治療は長期にわたる場合が多いので、サポートする家族も長期のサポートが可能な環境を整えていく必要があります。気長に焦らずにサポートするという心の余裕を持つようにしましょう。

うつ病の基本的な治療法とは?

うつ病には、大きく3つの治療法があります。それは、「休養」「薬物治療」「精神療法」です。

うつ病の治療は、まず十分に休養をとることが重要です。体と心をしっかり休ませることは、うつ病を治療するうえでの第一歩になります。

そして症状を和らげるための薬物治療も、休養と並行して行われます。
うつ病治療で一般的に用いられるのが、脳の神経伝達物質のセロトニンノルアドレナリンという物質の働きを高める働きがあるとされる抗うつ薬です。抗うつ薬は効果がでるまでにある程度の期間が必要になりますので、効果が出ないからといって自己判断で薬を飲むのをやめたり、量を変更しないようにしましょう。

ある程度症状が治まってきたら、精神療法も併せて行われます。うつ病の原因となったストレスへの対処法を学ぶことで再発を防ぎ、自分の考え方や性格を客観的に理解することで、うつになりにくい考え方を身に付けます

おわりに:周囲のサポートなしにうつ病は克服できない

うつ病を克服するには周囲のサポートが不可欠です。まずは周囲の人も、その人がうつ病であることを理解し、受け入れてあげましょう。そのうえで、できるだけサポートしてあげてください。ただし、うつ病の治療は長期間にわたるので、本人も周囲も根気強くうつ病に向き合える環境を整えましょう。

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