子供の睡眠障害は、どんな悪影響を引き起こす可能性があるの?

2018/2/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

近年、子供の睡眠障害が増えてきているといわれていますが、その原因はどこにあるのでしょうか。また、子供が睡眠障害になるとどのような悪影響があるのでしょうか。この記事では、子供の睡眠障害の特徴や原因について解説しています。

子供の睡眠障害の種類

子供の代表的な睡眠障害として、睡眠時無呼吸症候群があります。原因としてはアデノイドや扁桃肥大があり、3~6歳の児童ややせ型の子供に多く現れるのが特徴です。症状として、夜間のいびきや無呼吸、睡眠中の陥没呼吸(吸い込んだときに胸の一部がへこむこと)、起床時の不機嫌などがみられます。
また、小学校高学年から中学生にかけては、肥満にともなう睡眠時無呼吸症候群も多くみられます。子供の肥満は、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を合併することが多いため、食事や生活習慣の見直しや減量指導が必要となります。

その他、子供によくみられる睡眠障害に、ねぼけやおねしょ(夜尿)があります。5歳以降週に2度以上おねしょがあれば、睡眠時遺尿症と呼ばれますが、これ以前のおねしょは病気と考えなくてもいいでしょう。

ねぼけは睡眠時随伴症のひとつで、睡眠時遊行症と睡眠時驚愕症が代表的です。
睡眠時遊行症は、起きあがって寝床の上に座るだけのものから、ドアや外に向かって歩き出すものまでさまざまな症状が現れます。睡眠時驚愕症は、叫び声が特徴で、眼を見開き、恐怖に引きつる顔、多量の汗、荒い呼吸などを伴いますが、多くは思春期になると消失します。

それ以外にも、不眠症やムズムズ脚症候群など、大人と同様の症状が見られることがあります。

睡眠障害の子供が増えている理由とは?

睡眠障害の子供が増えている理由として、昼夜の境界があいまいになった現代社会が関係しているといえるでしょう。親が残業等で帰宅が遅いことや、女性の社会進出に伴い共働きの家庭が増えていることに起因すると考えられていますが、生活の夜型化が、大人のみならず子供の睡眠時間の減少にもつながっていると考えられています。

また塾や習い事が増え、寝る直前まで活動していることも睡眠障害を招く一因といわれています。身体は疲れていても頭の冴えや興奮が消えないと、なかなか寝付けず、睡眠不足を抱えた状態で起床時間を迎えることになります。これが続くと睡眠不足が習慣化し、そこから抜け出すことが難しくなるという悪循環をたどってしまうのです。

その他、肥満は睡眠時無呼吸症候群の原因になるため、食生活の変化に伴う肥満児の増加も原因の1つといえるでしょう。

睡眠障害は子供にどんな影響を及ぼすと考えられているの?

睡眠不足は、成長の遅れ、食欲不振、注意力や集中力の低下、眠気、過度の疲労感などをもたらします。子供の場合、眠気をうまく意識することができず、イライラや多動、衝動行為などとして周囲から評価されることも少なくありません。そして、睡眠不足が将来の肥満の危険因子になることも実証されています。

また日本の小・中・高校生は世界的にも夜更かしが著しいことで知られてます。TVやゲーム、勉強など原因はさまざまですが、いくら夜更かしをしても登校時間は同じであるため睡眠時間は短くなり、結果として日中の学校生活に支障をきたしてしまうのです。
日本小児保健協会や厚生労働省の調査によれば、幅広い年代の子供において21時以降に就寝する割合が増加しており、子供の生活リズムが年々夜型傾向にあることが明らかになっています。

そして夜更かしの子供は、寝不足を週末に解消するようになります。週末に遅くまで寝ていると、その日の夜に眠れなくなり、月曜日の朝を睡眠不足の状態で迎えることになります。この繰り返しは、日中の集中困難や学習能力の低下をもたらすおそれがあるのです。

おわりに: 子供が早く眠れる環境を家庭内で整えてあげよう

活発で健康な日常生活には、健やかな眠りが不可欠です。家庭内で生活習慣を見直し、子供が快眠できるような環境を整えてあげましょう。家庭内で対策をとっても1か月以上睡眠障害の症状が続くときは、小児科医など専門医に相談しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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