二分脊椎によって生じる可能性がある合併症とは?

2018/2/15

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

二分脊椎は、生まれつき脊椎に異常がみられる症状です。二分脊椎があると、さまざまな神経障害とともに合併症を併発すると言われています。この記事では、二分脊椎の合併症としてあらわれる可能性がある病気について解説します。

二分脊椎について

二分脊椎は生まれつき背骨の形に異常がみられる症状です。本来脊柱管の中にあるはずの脊髄神経が背骨の外に出ているため、様々な神経障害を起こします。二分脊椎を発症する原因は、まだ明らかにはなっていません。
二分脊椎は2つに分類されています。ひとつは顕在性二分脊椎で、脊椎の異常が表面から見えるものです。もうひとつは潜在性二分脊椎と呼ばれるもので、体の表面からは何も症状が見えませんが、体の中で二分脊椎の状態になっています。最近では胎児診断が発達してきているため、妊娠中の胎児超音波検査で見つかることがあります。見つかった場合、胎児MRI検査を行って出生後の治療計画を立てて備えます。

起こりやすい合併症:排尿・排便に関する障害

二分脊椎がある場合には合併症が起こることがあります。そのひとつに排尿や排便に関するものがあります。
排尿の障害に対しては間欠導尿という方法がとられます。神経障害により排尿が自力で行えないため、定期的に管を入れて膀胱の中の尿を体の外へ出すものです。適切に管理されていないと腎臓の機能にも影響が出るため、しっかりと間欠導尿を行っていく必要があります。
排便に関する障害として、排便のコントロールが自分で行えなくなることがあります。神経障害により、下痢の時に便が漏れてしまったり、便秘になったりします。排便が定期的にコントロールできるように、普段の食事内容を整えるといった工夫が必要になります。

起こりやすい合併症:脳、下肢などの障害

二分脊椎の合併症となる可能性が高い、代表的な脳の障害として水頭症があります。これは頭蓋内に脳脊髄液が溜まってしまう病気で、頭蓋内の圧力が高くなることで様々な症状を起こします。治療では、脳室腹腔シャント手術が行われます。
そのほか、下肢に起こる合併症として運動障害もよく見られます。これは足の指や関節の動きが悪いというものから、全く足が動かなくなるというものまで、障害の程度には差があります。足が変形することもあり、その場合には下肢に装具をつけることもあります。

二分脊椎による障害をケアするには・・・

二分脊椎があると、脊髄神経に障害が出るだけでなく、様々な合併症を起こす可能性があります。このため、症状に応じた診療科と連携して治療する必要があります。
二分脊椎そのものは生まれてくる前からの障害なので、産婦人科や小児科で診察を行いますが、排尿の問題がある時には泌尿器科の領域になります。また、水頭症がみられたら脳神経外科の診察が、歩行障害があってリハビリが必要になればリハビリテーション科との連携が必要となります。

おわりに:二分脊椎の合併症には水頭症や排尿・排便障害などがある

生まれつき二分脊椎がみられると、水頭症や排尿・排便時の障害、そして主に下肢の運動障害がみられます。このような合併症が出てきた場合、産婦人科や小児科に加えて、脳神経外科や泌尿器科、リハビリテーション科といった関連する診療科との連携で治療します。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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