胆道閉鎖症の手術方法と注意が必要な合併症について

2018/2/13

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

胆道閉鎖症は生まれたばかりの赤ちゃんにみられ病気です。胆汁の通り道である胆管が詰まってしまうことが原因で発症するもので、黄疸や黄色っぽい尿や便が出るのが特徴です。胆道閉鎖症を発症した場合、どのような治療が行われるのでしょうか。また、治療後にどのような合併症が起こり得るのでしょうか。

胆道閉鎖症はどんな病気?

胆道閉鎖症は生まれてすぐの新生児期や乳児期の早期になる病気で、肝臓で作られた胆汁を出す胆管が閉塞していることが特徴です。胆管は肝臓で作られた胆汁を十二指腸に送るための通り道ですが、この胆管が何らかの原因で破壊されたり、消失、閉鎖されることがあります。なぜそのようなことが起こるのかはまだわかっていません。
胆道閉鎖症になると、黄疸(皮膚が黄色くなる)、便の色が薄い黄色からクリーム色になる、濃い黄色尿といった症状があらわれます。新生児は生理的黄疸といって、生まれてきてからしばらくは黄疸がでますが、その時期を過ぎても黄疸が出ていると胆道閉鎖症が疑われます。この病気は1万人に1人がかかるまれなもので、女の子が男の子より2倍発症しやすいです。

胆道閉鎖症を治療する方法とは?

胆道閉鎖症の治療法には、閉塞部を取り除いて胆汁が流れるようにする方法と、肝臓そのものを別の肝臓に取り換える肝移植法があります。
閉塞部を取り除く手術は、胆管が完全に詰まっていない時には胆管と腸をつなぎ合わせる肝管腸吻合術が行われますが、完全に閉塞している場合は、肝臓の外にある胆管を取り除いて肝臓と腸管とを吻合する方法(肝門部腸吻合術または葛西手術)を行います。
これらの手術を行った後、胆汁の流れをよくする利胆剤を服用して胆汁をしっかりと流すようにします。また、傷跡の感染を防ぐ抗生剤も同時に使用します。さらに、退院後もビタミン剤やカルシウム剤を服用することが勧められます。

手術後に注意が必要な合併症について

胆道閉鎖症を治療するために手術を行った場合、手術後の長い期間にわたって気をつけていく必要がある合併症があります。
ひとつは上行性胆管炎で、胆管に炎症が起こる病気です。他には門脈圧亢進、肝内結石症、肝肺症候群があります。門脈圧亢進は肝臓の中にある門脈という部位で血液の流れが阻害されることにより、食道静脈瘤ができたり、脾臓機能亢進症が起こるものです。肝内結石症は、肝臓の中の胆管内に結石ができる症状です。そして、肝肺症候群は肝硬変の人の肺に見られる症状で、肺動脈の血液が肺静脈に流れ込んでしまうため、十分な酸素が供給されずチアノーゼ(皮膚の色が紫色になる症状)や息切れ、たいこばち型の指といった症状があらわれます。

おわりに:胆道閉鎖症の治療は手術で。術後も合併症に気をつける必要がある

胆道閉鎖症を発症した場合、治療として手術を行います。手術には、肝臓の閉塞部分を切除する方法と、肝臓を移植する手術の2種類あります。手術後は胆汁の排出を促す薬を服用するとともに、上行性胆管炎といった合併症にも気をつける必要があります。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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