記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/13 記事改定日: 2019/3/15
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
反復性耳下腺炎は、特段の原因がないのに耳下腺炎を繰り返し発症してしまう症状です。
反復性耳下腺炎は流行性耳下腺炎(おたふく風邪)と似ているため、検査をしてみないとどちらの耳下腺炎かが区別できないといわれています。
具体的にどのような検査が行われるのかについて、この記事で解説していきます。
反射性耳下腺炎とは、耳下腺炎を繰り返す疾患のことです。1歳~16歳で発症することが多く、1歳〜6歳までが好発年齢といわれています。
反射性耳下腺炎を発症すると、数カ月から1年の間隔で、特別な原因なく左右交互、もしくは左右同時に耳下腺炎を繰り返し発症するようになります。
反射性耳下腺炎の詳しい原因はわかっていませんが、免疫が未成熟であったり、ウイルス感染による免疫低下によって、口腔内の常在菌が耳下腺に感染することによって生じるのではないかと考えられています。
耳下腺の炎症は軽度で、発熱の症状が出たとしても37度台でとどまることが特徴です。初めて耳下腺炎になった場合は、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)と診断されることも多い病気です。
反射性耳下腺炎はおたふく風邪と間違われやすい病気です。どちらの病気も、耳下腺が腫れる症状があらわれます。熱がない、耳下腺の片側だけが腫れる、腫れの程度が軽い場合などは反射性耳下腺炎の可能性が高くなりますが、決定的な違いとは言えません。そのため、両者をより正確に区別するために血液検査が行われることが多いのです。
血液検査では、IgM抗体陽性、ペア血清によるIgG抗体の陽転または有意上昇があるか否かによって、反射性耳下腺炎とおたふく風邪を区別します。
IgM抗体陽性、ペア血清によるIgG抗体の陽転または有意上昇がある場合にはおたふく風邪と診断され、それが無い場合には反射性耳下腺炎と診断されます。
反射性耳下腺炎の診断においては、血液検査を除く代表的な検査法として
反復性耳下腺炎は、強い痛みや高熱を伴うことはほとんどなく、軽度な耳下腺の腫れ・痛み、微熱が生じるのみです。このため、治療は細菌感染が疑われる場合は抗生物質の投与が行われますが、鎮痛薬などによる対症療法が中心となります。
治療期間は症状が消失するまで続けられますが、多くは一週間前後で回復します。反復性耳下腺炎は就学前の小児に発症することが多く、成長と共に再発の回数が減り、10代前半頃には症状が見られなくなることがほとんどです。
反復性耳下腺炎は、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)と似た症状を持つため、血液検査が行われることが多いです。しかし、目視や触診での検査や、超音波やレントゲンといった検査機器を使った検査も行われています。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。