夏は脳梗塞になりやすいのはなぜ?予防するにはどうすればいい?

2018/2/9 記事改定日: 2019/5/24
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脳梗塞の主な原因は動脈硬化などの生活習慣病といわれていますが、夏の暑さが原因になる場合があることをご存知でしょうか。この記事では、夏に脳梗塞が起こりやすい原因と夏の脳梗塞の予防対策を紹介しています。

脳梗塞は夏にも起こりやすいって本当?

「脳梗塞」とは、脳の血管が詰まってそこから先に血が行かなくなり、脳組織が酸素欠乏や栄養不足を起こして壊死(えし)などしたものです。

現在脳梗塞は、脳や首の太い血管の動脈硬化による「アテローム血栓性脳梗塞」、心臓の中にできる血栓による「心原性脳塞栓症」、高血圧などにより脳の奥の細い血管が詰まることによる「ラクナ梗塞」の3つに分けられています。

これまで脳梗塞や脳出血は血圧が上昇しやすい冬に多いと考えられてきました。しかし近年、脳梗塞についてはむしろ夏の方が多いことが明らかにされました。

夏の脳梗塞の原因

夏に起こる脳梗塞の主な原因は、脱水症状です。

汗をかくことが多い夏は、気づかないうちに体内の水分が不足してしまうことが多いです。
体内の水分量が足りなくなると血液中の水分量も減少し、血液の流れが悪くなって血管が詰まりやすくなってしまいます。

脳梗塞のなかでもラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞はとくに脱水の影響を受けやすいといわれています。
30~50歳代の比較的若い世代が急に発症して倒れることもあります。

また、高血圧になると常に血管にかかる圧力が高くなり、血管壁が厚くなったり傷つきやすくなってしまうことで動脈硬化が起こりやすくなります。
そこに脱水症状が加わると血栓ができるリスクが上昇し、脳梗塞のリスクがさらに上がってしまうのです。

夏の脳梗塞を予防するにはどうすればいい?

夏の脳梗塞の予防には、こまめな水分補給が大切です。
水を飲んでも体全体に浸透するのに15~20分程はかかります。汗をかいていなくても、早めに水分補給をとるように心がけ、汗を多くかくときにはスポーツドリンクなど吸収が早いものを飲むようにしましょう。

また、脱水症状は汗をかかなくても起こることがあります。

たとえば

  • エアコンによる乾燥
  • 飲酒(利尿作用により失う水分の方が多い)

などが身近な例といえるでしょう。

室内にいるときにもこまめに水分をとり、飲酒したときには最後に水を1~2杯飲む習慣をつけましょう。

寝る前の水分補給

人は睡眠中にコップ1杯ほどの汗をかきますが、真夏には発汗量がさらに多くなります。
睡眠中は血圧が低下して血液の流れが遅くなるので血栓ができやすい状態です。そのうえ、起床する前後には血圧が上がりアドレナリンが出て血液が固まりやすくなります。

夏は睡眠中から起床前後の時間帯に脳梗塞の発症のリスクが高まるといわれています。
夏の脳梗塞を避けるために、寝る前と朝起きたときに水を1杯ずつ飲むのを習慣づけるようにしましょう。

また、枕元に水を置いくなどしていつでも飲めるようにしておき、トイレに立ったときは少しだけでもかまわないので水分を補給するようにしてください。

すぐに水分を補給したほうがいいのはどんなとき?

体内の水分が足りなくなると次のような症状が現れます。

  • 喉が渇く
  • 口の中や唇などが乾燥する
  • 体がだるい
  • 体が熱い
  • 動悸や息切れがする

これらの項目に当てはまる症状や変化が見られた場合は、すぐに水分補給をするよう心がけましょう。水分は水やお茶などではなく、電解質が含まれた経口補水液がおすすめです。多量の糖分を含んだスポーツドリンクなどはかえって喉の渇きがひどくなることもありますので注意してください。

一般的には、1日に必要な水分量は1.5~2リットル程度とされていますが、大量に汗をかいた時などはのどの渇きなど、脱水の症状や兆候が改善するまで水分を摂ってもかまいません。

おわりに:夏は脱水症状を起こしやすい季節。上手な水分補給で脳梗塞を防ごう

夏は睡眠中も含め汗をかきやすく、かいていなくともエアコンの乾燥や飲酒で脱水症状を起こしやすい季節です。脱水症状は脳梗塞の大きなリスクとなります。汗の有無に関わらず早め早めに、そしてこまめに水分を補給するように心がけましょう。

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