慢性的な筋肉痛に隠れている可能性がある3つの病気とは

2018/2/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

筋肉痛は、運動や重労働などのあとによくみられる症状です。湿布を貼ったり、しばらく酷使しすぎないよう気をつけたりすることで痛みがおさまることがほとんどですが、中にはいつまで経っても痛みが取れない筋肉痛もあります。この記事では、しつこい筋肉痛に潜んでいる病気にはどのようなものがあるかを解説します。

筋肉痛はどんな状態のこと?

「筋肉痛」とは、運動などに伴って起こる、筋肉のだるさや熱っぽさ、うずくような痛みです。日常生活の中で筋肉痛が起こる主な原因として、以下の3点を挙げることができます。
1つ目は「運動による筋肉の損傷」です。普段使っていない筋肉を急に使ったり、同じ筋肉を使いすぎると、筋肉を構成する筋繊維やまわりの組織が損傷して炎症を起こします。遅発性筋痛(運動の翌日や翌々日以降に遅れてあらわれる痛み)が一般的です。2つ目は、「同じ姿勢でのデスクワーク」です。首や肩、腰まわりの筋肉が緊張し続けることで「コリ」となり、鈍い痛みや圧迫感、不快感などを起こします。コリや痛みは慢性化しやすく、範囲が広がってしつこく残ってしまうことがあります。3つ目は、「冷却による筋肉の冷え」です。冬の寒さや夏のエアコンなどで、腕や足を長時間冷やしたために筋肉痛となる場合があります。

長引く筋肉痛に隠れている可能性がある病気とは?

長引く筋肉痛に病気が隠れている可能性があります。代表的なもののひとつが「リウマチ性多発筋痛症」です。比較的高齢者に多く、ある日急に肩や首、背中、太ももの筋肉が寝返りもうてないほど強く痛み、熱が出たり体重が減ったりするのが特徴です。また、「皮膚筋炎/多発性筋炎」という、間質性肺炎や悪性腫瘍の合併が多い病気もあります。免疫細胞が筋肉や皮膚に悪影響を及ぼす膠原病の一種で、体の中心に近い筋肉に症状が出やすく、首や二の腕、太ももの筋肉痛や筋力低下が起こります。また、皮膚筋炎は、手の甲やひじ、膝、目や首のまわりに赤い発疹がみられる症状です。そして、「血管炎」という、血管の壁を免疫細胞が攻撃する膠原病の一種も可能性がある病気です。血管のどの部分が炎症を起こすかで症状が異なりますがが、特に足の血管に起きると筋肉などが栄養不足となり、太ももやふくらはぎに筋肉痛やしびれを始めとするさまざまな症状が起こります。

どんな対処法があるの?

対処法としては、医療機関での受診が必要な場合と、セルフケアが可能な場合があります。1週間以上経っても痛みやこわばりが取れない、局所の急激な痛みがある、全身性の痛みがある、運動していないのに筋肉痛のような痛みがある、OTC医薬品(一般的な大衆薬)を使用しても効果がないといった場合は、医療機関での受診をおすすめします。リウマチ性多発筋痛、ケガや骨折、他の内臓疾患などの可能性があるためです。
一方、運動後の筋肉痛については、セルフケアで対処できる場合がほとんどです。血行をよくするため、38度ほどのぬるま湯にゆったりとつかった後、ゆっくりストレッチをしたり、バランスのとれた食事で損傷した筋肉を補修するタンパク質を摂ったりして、しっかりと休息をとることを心がけると良いでしょう。

おわりに:病気が隠れている場合があります。筋肉痛が長引く時には医療機関を受診しましょう

運動後に起こる一般的な筋肉痛であればセルフケアで十分対処できますが、筋肉痛が長引いたり、逆に筋肉が落ちたといった場合には、重い病気やケガが隠れている可能性があります。痛みが長引くようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

関連記事

この記事に含まれるキーワード

筋肉痛(40) リウマチ性多発筋痛症(4) 血管炎(3) 多発性筋炎(5) 皮膚筋炎(1) 遅発性筋痛(1)