十二指腸潰瘍の原因とは!?ピロリ菌以外に、どんなものがある?

2018/2/26 記事改定日: 2018/11/26
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「十二指腸潰瘍」の主な原因としてピロリ菌の感染が挙げられますが、近年、別の原因によって発症リスクが上がることが指摘されています。
この記事では、ピロリ菌の発症リスクを上げる原因について解説していきます。

十二指腸潰瘍の原因はピロリ菌。現代は発症数が増加傾向にある

十二指腸潰瘍とは、十二指腸に腫瘍ができる病気です。比較的胃に近い部分での発生率が高く、下部になるほど発生率は低くなります。

十二指腸潰瘍は胃における腫瘍とは異なる点が多く、それは十二指腸の内壁が胃と比べて厚さが薄いということと深く関係しています。壁が薄いため腫瘍の影響が深くまで浸透し、出血や穿孔が発生する確率が胃などよりも多いという特徴があります。また、十二指腸潰瘍にかかる人の特徴として、ピロリ菌に感染している率が非常に高いとされています。

十二指腸潰瘍は、粘膜を越えて深く浸透していってしまう厄介な腫瘍です。20歳代から40歳代の人を中心として腫瘍ができる可能性が高く、ストレスの多い現代社会においてその発生率は増加傾向にあります。

ピロリ菌が十二指腸潰瘍を引き起こすメカニズムとは?

十二指腸潰瘍のほとんどはピロリ菌感染によるものと考えられています。ピロリ菌は不衛生な生水や感染者の唾液・便などを介して感染します。感染すると、胃の中に住み続け、ウクレアーゼと呼ばれる酵素を産生します。ウクレアーゼは胃内の尿素と反応してアンモニアを生成しますが、このアンモニアが胃の粘膜にダメージを与えます。また、ピロリ菌はその他にも様々な有害物質を産生し、炎症を引き起こすことで胃の粘膜に慢性的なダメージを当て続けるのです。

十二指腸は胃と連続しているため、これらの有害物質や胃酸が流入することで、粘膜にダメージが加わって胃潰瘍を引き起こすことがあります。特にストレスなどによって胃酸の分泌が増えた時に粘膜が更にダメージを受けて、痛みを伴う十二指腸潰瘍を発症しやすくなります。

十二指腸潰瘍の既往がある人は、ピロリ菌検査をして、陽性の場合はしっかりと除菌治療を行いましょう。

食べ物やストレスなども十二指腸潰瘍の主な原因

十二指腸潰瘍は、ストレスや生活習慣とも密接につながっています。特にストレスとの関連性は深いとされ、これはストレスからくる胃の不調によって免疫系が低下し、発がん性物質などをしっかりと排除できなくなってしまうことが原因と考えられています。

また仕事などで胃痛を感じるほど緊張している場合、鎮痛薬などの痛み止めの薬を服用すると胃の内壁にダメージを与えてしまい、そこから腫瘍が発生する可能性もあるため注意が必要です。

十二指腸潰瘍のリスクを上げる食事とは

食事に関しては、アルコール、香辛料の多い食べ物、コーヒーや紅茶などカフェインが多量に含まれている飲み物などを、1日のうちに多く摂取することは、十二指腸潰瘍のリスクを高めるといわれています。

特にアルコールは胃の粘液を荒らしてしまう大きな原因です。
仕事のストレスによるお酒の暴飲などは、腫瘍ができる最適の環境を自らつくりだしていることになりかねません。
カフェインについても同様で、勉強や仕事などで深夜までコーヒーを飲みつつ作業を行うのは胃や十二指腸へのダメージが大きくなり、十二指腸潰瘍のリスクを高めます。

薬が原因で胃・十二指腸潰瘍になることもある?

十二指腸潰瘍はピロリ菌の感染、ストレスや生活環境の極端な変化からくる体の不調、偏った食生活を続けている栄養の偏りが原因とされています。
さらに近年の研究によって、ストレスではない別の原因からも発生することが明らかになりました。

別の原因とは、抗炎症薬や鎮痛薬などの薬です。先述の通り、ストレスは十二指腸潰瘍の症状を促進させる要素のひとつですが、日々の仕事のストレスなどで胃が痛むという人は、胃の痛みを緩和させるために鎮痛薬を服用します。

しかしこのような薬に入っている成分は胃の粘膜を荒らす原因となり、特にアスピリン®の場合は胃の内壁へのダメージが顕著といわれています。

おわりに:十二指腸潰瘍の原因を避ける工夫をしよう

十二指腸潰瘍はピロリ菌の感染が原因となりますが、痛みを和らげるために飲んだ鎮痛薬や、ストレスを発散するために飲んだお酒などが、かえって十二指腸潰瘍の発生につながることがあります。
自分の生活習慣や服薬の状況などを見直し、必要に応じて改善していきましょう。

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