変形性脊椎症の手術の種類と手術前に確認することとは?

2018/2/28 記事改定日: 2019/4/3
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

変形性脊椎症とは、加齢によって椎間板が変化したために発症するものです。
この記事では、変形性脊椎症の手術法と手術前に確認しておくことについて説明しています。
変形性脊椎症は誰にでも起こりうるものなので、いざというときのための基礎知識として覚えておきましょう。

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変形性脊椎症とは?

変形性脊椎症は加齢によって椎間板が変化したために発症するもので、症状が出ないこともあれば、慢性的に痛みが続くこともあります。

通常、背骨の関節には骨と骨の間にクッションの役目をする椎間板があり、関節がスムーズに動くのを助ける働きがありますが、年齢と共に椎間板がすり減ってくると、関節の動きに無理が生じ、骨同士がぶつかり合って骨棘(こつきょく)ができ始めることがあります。

骨棘ができたからといって必ず症状がでるわけではありませんが、骨棘が神経に当たると痛みやしびれを感じるようになり、骨棘が関節の動きを邪魔して、運動制限が出ることもあります。

変形性脊椎症の手術の前に確認しておくべきこと

変形性脊椎症の症状は個人差があるため、自分の病状に合った治療法を選ぶことが重要です。そのため、変形性脊椎症の人は自分の病状がどの程度なのか、また、自分の身体がどのような状態になっているかを自分自身で把握しておく必要があり、その上で、自分の状態やライフスタイルに合うものを選択することが大切です。

また、変形性脊椎症は手術を行ったからといって必ずしも完治するとは限らない病気です。手術を選択する前には手術で症状がどれくらい改善するか、手術を行わないとどうなるかを医師に確認しておく必要があります。

手術をしたほうが良い場合と、しないほうが良い場合があるので、どちらが良いかは病状を総合的にみて判断する必要があります。主治医としっかり相談した上で、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で治療法を決めていきましょう。

変形性脊椎症の手術

変形性脊椎症では以下のような目的の手術が行われます。

除圧

変形性脊椎症は、突出した椎間板や骨棘の形成などによって脊髄が走行する脊柱管が狭くなったり、脊髄が直接圧迫されることによって引き起こされます。
このため、手術の最も大きな目的は、脊髄を圧迫する構造物を切除したり脊柱管を開いて脊髄の圧迫を解除することです。
このような目的のものを「除圧」と呼び、通常は皮膚に小さな切開を入れて手術用の内視鏡を用いて慎重に行われます。

固定

多くは除圧のみで症状が改善しますが、重症な場合や脊椎の多くの部位を切除したような場合には、除圧後に脊椎の不安定さを矯正するための「固定」が行われます。
骨盤などの他部位の骨の一部を採取して、移植する術式で行われることもありますが、早期離床を目指して強固なチタンなどを用いた固定を行う施設が多いです。

おわりに:変形性脊椎症の手術を受ける場合は、事前に主治医と相談することが大切

変形性脊椎症の手術は、症状に応じてさまざまな方法があります。どのような手術を行うかは、症状や身体の状態によって異なりますので、事前に主治医と相談した上で決めていきましょう。

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