寝られないほどの生理痛には病気が隠れている可能性が高い?!

2018/7/17

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

「生理痛は痛いのが当たり前」と、多くの女性は思っています。しかし、夜寝られないほどの痛みがあったり、鎮痛薬を手放せないほどの痛みで悩まされたりしているのなら、それは病気のサインかもしれません。以降で詳しくお伝えしていきます。

生理痛(月経痛)は何故起こるの?誰にでも起こるの?

生理(医学的には月経というのが一般的です)痛は、子宮の収縮を促して月経に伴いはがれ落ちた子宮内膜を体外に押し出す役目をするプロスタグランジンというホルモンの作用によって起こるものです。陣痛とメカニズムは似ているものの、子宮内膜を排出するための子宮収縮であるため、本来であれば痛みはさほど強くありません。

一般的に初経後しばらくの間は生理痛を認めることは無く、初経から2~3年経ち、月経周期や期間、月経血の量などが安定し、排卵周期が確立される頃になると強い生理痛を感じる女性が増えてくるといわれています。

女性の中では「生理痛が来るのが当たり前」と考えている方もいるようですが、生理痛が強く、日常生活に影響が出る場合には子宮内膜症など何かしらの病気が隠れている可能性もあります。

夜寝られないほどの生理痛を放置すると・・・

重度の生理痛がある場合は、子宮内膜症を発症しつつある、またはすでに子宮内膜症を発症している場合があります。

子宮内膜症とは、子宮の内膜またはそれに似た組織が、何かしらの原因によって本来あるべき子宮の内側以外の場所に生着して発育する病気のことを言います。

子宮内膜症ができやすい場所は卵巣、子宮と直腸の間にあるくぼみ(ダグラス窩)、子宮を後ろから支える靭帯(仙骨子宮靭帯)、卵管、子宮と膀胱の間のくぼみ(膀胱子宮窩)とされています。発症は一般的に20~30代の女性に多く、30~34歳がピークとされています。

代表的な症状は生理痛であり、子宮内膜症の方のほとんどに見られます。また、不妊も子宮内膜症の症状の1つとされており、妊娠希望女性で子宮内膜症に罹患している方の約30%が不妊であるというデータもあります。

さらに、卵巣に子宮内膜症がおこり経血がたまってしまうと、卵巣チョコレートのう胞という病気になるケースがあります。この病気の約0.7%の方が卵巣癌に発展するというデータもあり、つまり子宮内膜症は放っておくと女性のライフスタイルに悪影響を及ぼす恐れがある病気なのです。

子宮内膜症などの病気が進行しないよう、早めに病院で診てもらおう!

子宮内膜症の主な症状は生理痛のため、「薬を飲んで痛みをコントロールすれば何とかなる」「生理痛だけで病院へ行くのは大げさだ」と考えてしまう方も少なくありません。

しかし、鎮痛薬の内服はその時の痛みを抑えることはできるものの、子宮内膜症の根本的な解決にはなりません。そのため、時が経つにつれて痛みが増してきた、薬が効かなくなったなど子宮内膜症が徐々に進行してしまう可能性があります。

専門医に診断をしてもらい正しい治療を行うことができれば、子宮内膜症を食い止め、生理痛が改善される可能性もあります。

子宮内膜症は治療をしても再発する可能性があり、経過を長く見ていかなければならない病気でもあるため、生理痛が重い場合は早めに医療機関を受診することがお勧めです。

おわりに:重度の生理痛でお悩みなら、子宮内膜症の検査を

生理痛の重さは人それぞれであるものの、痛みの尺度をはかることができないため、自分以外の人たちも自分と同じくらい痛みがあるだろうと思っている方もいるかもしれません。しかし、日常生活に影響を及ぼす、鎮痛剤が手放せないほどの生理痛には子宮内膜症という病気が隠れている可能性があります。

子宮内膜症は将来のライフプランに大きな影響を及ぼす可能性があります。日常生活に支障をきたすほどの生理痛がある場合は一度専門医に診てもらうことをお勧めします。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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