記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/26 記事改定日: 2019/3/7
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
現在は、専門クリニックのCMなどでその名を知られている「AGA(男性型脱毛症)」。この男性特有の薄毛や脱毛は、いったい何が原因で引き起こされるものなのでしょうか。治療薬と併せてご紹介します。
AGAとは「男性型脱毛症」のことで、主に成人男性が発症する脱毛症の一種です。特に30〜50代の中年男性に多いとされ、生え際がM字型やU字型に後退したり、頭頂部がO字型に脱毛したりといった薄毛症状が出ます。
頭髪全体ではなく局所的に脱毛していくのが特徴で、進行性のため放っておいても自然に脱毛が止まったり、治癒することはほとんどありません。
なお、脱毛症・薄毛症状自体は女性にも起こりますが、脱毛・薄毛症状の出方や原因において、AGAとは大きく異なります。
AGAは、髪の発育サイクルが狂うことによって、髪が抜けやすく、新しい髪が生えにくくなる病気のことを言います。このような髪のサイクルの変化やAGAは、男性ホルモンの働き、遺伝、ストレス、生活習慣の4つの原因が絡み合って発症すると考えられています。
以下ではAGAを引き起こす4大原因について、それぞれご紹介していきます。
男性ホルモンの一種テストステロンは、体内で5αリダクターゼという物質と結びついて、ジヒドロテストステロンという物質に変化します。
このジヒドロテストステロンに髪の発育サイクルを狂わせる作用があるため、テストステロンの働きが活発な男性は、特にAGAを発症しやすいと言われています。
AGAの原因となる男性ホルモンの量や作用は、生まれつき遺伝子によってある程度決定づけられています。このため、AGAの発症には、遺伝的要因も大きいと言われているのです。
過度にストレスがかかる状態になると、自律神経の緊張から血管が収縮して血行が悪くなり、毛細血管まで栄養が届かなくなることから、AGAの一因となります。
血行不良や毛根に必要な栄養が不足した状態を引き起こす睡眠不足、運動不足などの日常生活の乱れや、偏った食生活もAGAの一因です。
AGAの治療薬にはミノキシジル、デュタステリド、フィナステリドなどが使用されます。
ミノキシジルは頭皮の血流を改善して毛母細胞に栄養を与えて活性化する作用があります。高血圧の治療薬として開発された薬ですが、AGAでは頭皮への塗り薬として使用されるのが一般的です。
一方、デュタステリドやフィナステリドはAGAの原因となる男性ホルモンが変化する際に必要な酵素の働きを阻害する作用があります。これらは飲み薬であり、服用することで性欲の減退や勃起障害などの副作用を引き起こすことがあります。
AGAの治療では、一般的には塗り薬のミノキシジルと飲み薬のデュタステリド、フィナステリドが併用されますが、副作用に注意しながら薬の種類や量を調整していく必要があります。
近年はインターネットを通じて、海外から安価なAGA治療薬を個人輸入することができます。しかし、海外から輸入できる製品は粗悪品や偽物が混ざっていることも多々あり、中には薬効成分がないばかりでなく人体に有害な物質が含まれていることもあります。
使用することで思わぬ健康被害を引き起こすこともありますので、薄毛に悩んでいる場合は専門の医療機関を受診して、医師から適切で安全な薬を処方してもらうようにしましょう。
AGAは原因と効果的な治療法があることを知っていれば、改善への道も見えてきます。個人輸入で薬を入手している人もいますが、個人輸入の薬を使うことにはリスクが伴います。
AGAを病気として専門的に治療する医療機関も増えてきていますので、AGAでお悩みの方は専門の医療機関で治療の相談をしてみましょう。