腎硬化症の治療のポイントと透析のタイミング を理解しておこう!

2018/3/1 記事改定日: 2018/8/15
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

腎硬化症によって腎臓の機能が低下すると、透析治療を行うことがあります。この記事では、透析の方法とともに、透析を始める時期を決めるポイントについて解説します。

腎硬化症の治療は血圧を下げることから

腎硬化症は高血圧の状態が続くことで腎臓の機能が悪くなる病気のため、まずは高血圧を治療して血圧を正常に保つことが最も重要になります。塩分を控えた食事に変えたり、肥満の人には血圧が適正値に戻るように食事改善や運動指導をします。

生活習慣を改善することで腎機能が回復することもありますが、これだけでは回復が難しい場合は降圧剤を使って血圧を正常に保つ治療が行われます。このとき、血圧が下がり過ぎるとかえって腎機能が悪化してしまうことがあるため、注意が必要です。

それでも腎臓の機能が改善しない場合は、透析治療が必要になることもあります。透析は、腎臓の代わりに機械が老廃物や不要な水分の排出を行います。

目標の血圧と塩分量

腎硬化症では、140/90mmHg未満の血圧を維持することが推奨されています。ただし、尿たんぱくが出ているような重症化した場合には130/80mmHg未満に保った方がよいとされています。
また、過度な塩分は高血圧を悪化させるだけでなく、腎機能の悪化と相まって余分な水分が体に溜まりやすく、むくみや心不全の原因になることもあります。このため、腎硬化症の人は一日に塩分摂取量を一般的な人よりも少ない6g以下にすることが目標とされています。

腎硬化症の治療で使われる薬とは?

腎硬化症の治療は高血圧を是正するための降圧剤治療が主体となります。
降圧剤には様々な種類のものがありますが、腎硬化症では、腎臓保護効果もあるACE阻害薬やARBと呼ばれるタイプのものが第一選択となります。
しかし、尿たんぱくを生じない軽度な腎硬化症の場合には、Ca拮抗薬やβ遮断薬、利尿薬といった種類の降圧薬でも治療効果が期待できることが分かっています。

どのタイプの降圧薬を使用するかは、患者の年齢や病状などを総合的に判断して決定されますが、定期的に腎機能などの検査を行って必要であれば薬剤の変更を行うなど、柔軟性のある治療が必要となります。

透析治療法を始めるタイミングは?

腎硬化症になって最終的に腎臓の機能が悪くなると、血液が腎臓を通っても不要な水分や老廃物が体外に排出されないまま、体内に残ってしまうようになります。体の水分量が増えると、むくみが生じるだけでなく、電解質のバランスも乱れてしまうため、心臓などの重要な臓器にも影響が出てきます。

この状態になると命に危険が及んでしまうため、人工透析を行います。透析は、機械が血液から老廃物や余計な水分を排出する方法です。
透析を始めるタイミングが遅くなると他の臓器への影響が大きくなってしまうため、適切な時期に始めることが大切です。

しかし、透析は長期間にわたって行うことになるため、時期は慎重に決めることが重要です。主治医と相談をしつつ、体にあらわれている症状や腎臓の状態、日常生活にあらわれている問題の程度などを考慮し、総合的に判断する必要があります。まずは、自分の体調がどのような状態なのかを客観的に見ることが大切です。

透析の種類

腎硬化症を始め、腎臓の機能が悪くなった時に行う透析療法には、血液透析と腹膜透析という2種類の方法があります。

血液透析

血液透析は、血管に針を刺し、そこから体内の血液をいったん外に出して、ダイアライザーという機械の中に通します。ダイアライザーが腎臓に代わって血液中の老廃物や余分な水分を取り除いた後、腎臓でろ過した後と同じ状態になった血液を再び体に戻します。血液透析は週3回、約4時間ほど行います。

腹膜透析

腹膜透析は、腹膜(肝臓や胃などの臓器を覆っている膜)を通して血液中から余分な成分などを取り除く方法です。腹腔に透析液を入れ、腹膜の血管を流れる血液中の不要な成分を透析液に通します。そうすると、必要な成分だけが体内に残るので、腎臓でのろ過と同じ結果が得られます。この方法は1日に数回、続けて行うのが一般的で、自宅でできるので病院などへ行く手間がかかりません。しかし反面、細菌感染を起こしやすいというデメリットがあります。

おわりに:透析までいかないように、きちんと血圧をコントロールしよう

腎硬化症の症状が悪化すると透析治療が必要になってきます。透析には血液透析と腹膜透析があります。腹膜透析は自宅でできるので手間がかかりませんが、細菌感染を起こしやすいというデメリットがあります。
透析を始めるタイミングが遅れないようにするためにも、きちんと通院して状態を確認することが大切ですが、なるべく透析が必要にならないようにするために血圧を管理することが一番大切です。生活習慣を見なおし、血圧のコントロールを徹底しましょう。

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