半月板損傷の治療で行われるのはどんな手術?

2018/3/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

スポーツ選手の怪我を報じるニュースで、耳にすることのある「半月板損傷」。この半月板損傷とは、どんな怪我なのでしょうか。また、治療の際にはどんな手術が行われるのでしょうか。

半月板損傷ってどんなケガなの?

半月板は、膝関節の大腿骨と脛骨の間にある三日月のような形をした軟骨組織です。可動時に膝関節が動揺しないように安定させたり、衝撃を緩和するクッションの役割を果たしています。

これに対し、膝に急激な捻じれ等の外力が加わって半月板に亀裂が生じる外傷が半月板損傷です。半月板損傷を引き起こす代表的な原因はスポーツによるものであり、特に膝関節に急激な外力が加わりやすいサッカーやラグビー、スキーなどで生じる頻度が高くなっています。

主な症状は膝関節の疼痛や腫脹、関節の引っ掛かりがありますが、関節の引っ掛かりから膝が動かなくなるロッキングという症状が現れることもあります。半月板は水分とコラーゲンを主な成分として構成されており、一部分を除いて血行が乏しい組織でもあります。そのため損傷が起こると組織が修復されにくいことから、膝関節の機能回復を目的とした治療を行うことが重要になります。

関節鏡視下手術について

半月板損傷によって強い疼痛が長く続いたり、膝が動かなくなるロッキングなどの症状が現れてスポーツや日常生活に著しい支障をきたすと考えられる場合には、手術が必要になることがあります。手術の方法については、可能な限り半月板を温存することに重点を置いた上で、手術時に大きな傷を伴うことなく、また術後の疼痛も最小限にとどめて早期回復・社会復帰が見込める方法として関節鏡視下手術が適応となることが多くなっています。

この関節鏡視下手術は、膝関節前面の皮膚の2~3箇所に4mm程度の穴を開け、関節内を生理食塩水で満たした上で光ファイバーとカメラで構成される内視鏡を挿入します。そして内視鏡で損傷部位などを確認しながら直接、半月板の切除および縫合を行っていくものです。このように半月板損傷に対する関節鏡視下手術は皮膚切開の範囲が最小限に止められていることから、術後の早期回復に繋がりやすい低侵襲な手術方法であると言えます。

術後の経過と代表的なリハビリとは

半月板損傷に対して手術が行われた場合、できるだけ早期回復や日常生活および社会復帰へ繋げていくためには、術後の管理とリハビリテーションの同時進行が重要になります。

一般的に術後早期では疼痛や腫脹を伴っていることが少なくないため、術創部周囲に対するアイシングを行いながら炎症を抑えて疼痛、腫脹の軽減を図ります。そして下肢の血行を促す目的で足関節や足の指を動かす運動や膝関節が動かしにくくならないように関節可動域を維持する運動、さらに筋力を付けるための脚上げなどの運動を行います。この時点の歩行は基本的には膝への負担を避けるために松葉杖などの歩行補助具を用いることがあります。

術後早期以降の段階では、自分の体重を利用してスクワットを行うなど、運動の内容や強度を上げていき、歩行補助具を用いない歩行へ進めていきます。こうした段階を経て、最終的にはスポーツや日常生活、社会復帰に向けた実践的な練習としてスクワットやジャンプ、ジョギングなど負荷の高い運動へ移行していきます。

おわりに:術後の継続的なリハビリが大切

半月板損傷で手術が適応となる場合には、現在は術後の回復が比較的早い関節鏡視下手術が主流となっています。術後はしばらくの間リハビリに努める必要がありますが、根気よく続け、最終的な復帰を目指すことが大切です。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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