子供のたんぱく尿に隠れている可能性がある病気とは?

2018/3/5

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

尿の中に必要以上のたんぱく質が混ざっている場合、たんぱく尿の可能性があります。子供にたんぱく尿がみられた場合、どのような病気を発症している可能性があるのでしょうか。この記事では、たんぱく尿の説明と合わせて解説します。

たんぱく尿について

腎臓の働きとして、血中の老廃物を濾過して尿を作るという大切な役目があります。正常であれば、身体に必要なたんぱく質は再吸収されて血液に戻りますが、尿に必要以上のたんぱく質の成分が含まれている状態のことをたんぱく尿と呼んでいます。
たんぱく尿には、病的ではないものと、病気が隠れている可能性があるものとがあります。
病的ではないものは「生理的たんぱく尿」と呼ばれる状態です。肉などを過剰に摂取したために、腎臓での処理が追いつかないほどのたんぱく質が一時的に血液中に含まれる場合が該当します。また、激しい運動を行った後、体内でたんぱく質が過剰に生成されるときも、一時的にたんぱく質が尿に排出されることがあります。
このような場合、すぐにたんぱく質が元に戻るので心配する必要はありませんが、たんぱく質がずっと多く含まれている場合には、注意したほうがよいと言われています。

病気が隠れている可能性があるのは、どんなたんぱく尿?

では、病気が隠れている可能性があるたんぱく尿にはどのようなものがあるのでしょうか。
まず、腎臓病の場合が考えられます。腎臓病の場合、軽度であれば自覚症状がないことが特徴です。したがって、自覚症状が出てきたときは、病状がかなり進行している可能性があります。そのため尿検査をしながら、たんぱく尿が出続けているかどうかを観察する必要があります。
尿たんぱくの検査では、尿に試験紙を入れてたんぱく質が含まれているかどうかを調べます。結果が陽性だった場合は再検査を行います。このとき、24時間ためた1日分の尿を採取し、たんぱく質の量を調べる定量検査を行います。尿中のたんぱく質が15mg/dl以下が陰性、15mg/dlを超えると擬陽性、30mg/dl以上になると陽性です。擬陽性はたんぱく尿が疑われる状態であるため、放置せず再検査を数回受けて病気かどうか判断します。

子供のたんぱく尿にはどんな病気が隠れているの?

子供のたんぱく尿で考えられる代表的な病気に、急性糸球体腎炎とネフローゼ症候群があります。
急性糸球体腎炎は、溶連菌に感染して発症する病気です。感染してから1~2週間後に、たんぱく尿や尿量の減少、血尿、高血圧を引き起こします。この病気は5歳から12歳の小児に多くみられるのが特徴です。たんぱく尿と血尿の両方がみられる場合はこの病気を疑います。
ネフローゼ症候群は、腎臓から尿にたんぱくが大量に漏れ出ることによって、血管内のたんぱくが減ってむくみが出る病気です。むくみが胃腸にあらわれると、嘔吐や下痢を引き起こします。2歳から5歳までの子供によくみられる病気です。
どちらの病気も、塩分制限をした上で薬による治療を行います。ネフローゼ症候群の場合、再発することが多いため、治った後も尿検査を継続して、たんぱく尿が出ていないかどうかを観察する必要があります。

おわりに:子供のたんぱく尿では、急性糸球体腎炎とネフローゼ症候群が疑われる

子供にたんぱく尿がみられた場合、考えられる病気として急性糸球体腎炎とネフローゼ症候群があります。特にネフローゼ症候群はいったん治っても再発することが多いため、完治した後も尿検査を続けることが大切です。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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