目がかゆくて目やにが出るのは結膜炎が原因かも??

2018/8/1

渡辺 先生

記事監修医師

東京都内大学病院眼科勤務医

渡辺 先生

目のかゆみや、目やにの量が増えるなどの異変が見られた場合、「結膜炎」を発症している可能性があります。今回の記事では結膜炎の症状を中心に、詳しく解説していきます。

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目やにの原因と目やにを伴う主な疾患とは?

日常生活で目やにが出る原因は、涙の分泌量の増減、花粉やハウスダストによるアレルギーなどが挙げられます。涙の量が通常より増えたり減ったりすれば、目やには多く出ます。また、アレルギー物質の刺激を受けると、涙の量が増え、目やにが増えてしまいます。

目やにを伴う5つの疾患としては、細菌性結膜炎やウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎、春季カタル、涙嚢(るいのう)炎が挙げられます。これらの疾患の中で、細菌性肺炎やアレルギー性結膜炎、春季カタルは、目やにと共に目のかゆみも起こります。このほか、ウイルス性結膜炎ではまぶたの腫れや充血、リンパ節のしこりなどが、涙嚢炎では鼻の腫れや痛み、充血、発熱や膿が出ることがあります。

感染性結膜炎とは?

感染性結膜炎は、白目や結膜が充血して炎症が起きた状態です。

感染性結膜炎には、細菌性結膜炎とウイルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎などの種類があります。これらの違いは、原因となる物質が異なる点にあります。細菌性結膜炎とウイルス性結膜炎は、ぶどう球菌などの細菌や、アデノウイルス、エンテロウイルスなどの感染によるものです。一方のアレルギー性結膜炎は、ダニやカビ、ハウスダストによって引き起こされる結膜炎です。

感染性結膜炎は、目やにや充血、目の違和感の他、のどの痛みや発熱などの風邪に似た症状を引き起こすことがあります。

感染性結膜炎のうち、細菌性結膜炎では、抗菌点眼薬で治療を行います。一方のウイルス性結膜炎では、ステロイド点眼薬が治療に用いられますが、細菌感染の予防に抗菌点眼薬を使用することがあります。なお、炎症が治まっても、視力低下などの後遺症が残る可能性もあるため、眼科医と相談しながら完治まで治療を進めましょう。

アレルギー性結膜炎とは?

アレルギー性結膜炎は、前述の通りダニやカビ、ハウスダスト、花粉などによる目のアレルギー症状です。アレルギー性結膜炎の症状は、目のかゆみや異物感、目やに、流涙などです。

アレルギー性結膜炎の目やには、粘ついて透明や黄白色をしています。また、個人差がありますが、目の疲労感や乾燥を感じる方もいます。症状が悪化すれば、視界のまぶしさや視力障害が生じることもあります。花粉など季節に影響を受けたり、年間を通して症状が慢性的に現れたりするのも特徴です。

目やにが気になるときの対策とは?

日常生活でできる予防法や対処法について、紹介します。

予防法としては、こまめな掃除で部屋を清潔に保つことや、細菌やウイルスから目を守ることが大切です。守るために手で目をこすらない、手洗いを心がける、プール後は洗顔を徹底するなどの方法が挙げられます。

また、もしかかってしまったときの対処法は、目やにを手で触れず綿棒で取り除く、市販の点眼薬を使用する、病院での診察が挙げられます。なお、目やにに触れた手から他者へ感染させる恐れもあるので注意しましょう。

おわりに:多量の目やにや目のかゆみが見られたら、早めの対処を

目やにの量が増えたり、目の充血やかゆみの症状で悩まされている場合は、結膜炎を疑った方がいいかもしれません。症状に気づいたら手で目を触れないように気をつけ、早めに眼科を受診しましょう。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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