どうにかしたい陰部のかゆみ!原因や対処法とは?

2018/3/29

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

なかなか人には相談できない、デリケートゾーンのかゆみ。そんな陰部のかゆみは、何が原因で発生するのでしょうか?効果的な対処法と併せて、詳しく解説していきます。

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陰部のかゆみの原因とは?

陰部は常に下着などで覆われているため、蒸れやすく、汗や汚れも溜まりやすいです。そのためかゆみが起こりやすくなっています。そんな陰部のかゆみの原因は大まかに、「かぶれ」と「感染症」の2種類に分けられます。

まず、かぶれの場合、原因としては汗や湿気、熱、アレルギーなどが挙げられます。なお、女性の場合は生理(医学的には月経というのが一般的です)中のナプキンの接触や蒸れによって、かぶれる場合が多いです。

一方の感染症の場合、性感染症が原因であることが多いです。性感染症は性行為だけでなく、温泉などの共同浴場を通じて感染することもあります。

陰部のかゆみを伴う疾患にはどのようなものがある?

陰部のかゆみを引き起こす具体的な疾患としては、以下のものが挙げられます。

カンジダ性腟炎

カンジダ性腟炎の症状や原因は、性別によって大きく異なります。まず女性の場合は、疲労の蓄積や妊娠などによって免疫力が低下した際に、腟に棲んでいるカンジダ菌が増殖したことが原因で発症します。症状は、性器の強いかゆみや赤い腫れ、白いおりものが特徴です。

一方、男性はカンジダ性腟炎に感染している女性との性行為を通じて感染します。性器のかゆみやただれが発生することがありますが、無症状のケースが多いので注意が必要です。

腟トリコモナス症

女性の場合は性器の強いかゆみや、おりものの異変(悪臭や量の増加)が特徴です。男性の場合は尿道から膿が出たり、排尿痛を感じることがありますが、無症状の場合がほとんどです。主に性行為によって感染しますが、下着の共有や入浴を通じて感染することもあります。

性器クラミジア感染

女性の性感染症の中では、最も多い病気です。女性では下腹部痛やおりものの増加などの自覚症状がある場合もありますが、無症状のケースも少なくありません。男性の場合は排尿痛や尿道のかゆみ、膿の排泄などが特徴です。

性器ヘルペス

主に性行為によって、単純ヘルペスウイルスに感染したことが原因で発症します。性器や肛門のかゆみや小さな水疱が特徴です。水疱が破裂すると強い痛みを生じ、排尿が困難になるケースもあります。

淋菌感染症

淋菌の感染が原因で起こります。女性はほぼ無症状のケースが多いですが、自覚症状としては、外陰部のかゆみやおりものの増加があります。男性の場合は排尿痛や黄色い膿の排泄、陰のう部の痛みなどが特徴です。

毛じらみ症

主に性交渉によって感染しますが、プールや温泉で感染することもあります。毛じらみが陰毛に寄生したことで、激しいかゆみに見舞われます。

いんきんたむし

股にカビの一種である白癬菌が付着・増殖することで感染します。激しいかゆみと、弓状の赤い隆起が特徴です。

陰部のかゆみの治療法とは?

かゆみが激しい場合や水疱が見られる場合、おりものの異変が見られる場合は、まず医療機関で専門治療を受けてください。軽度のかゆみやかぶれであれば、市販の抗炎症剤や軟膏によって治療できる場合もあります。なお、いんきんたむしに対しては、白癬菌を殺すブテナフィン塩酸塩などを配合した軟膏が有効です。

陰部のかゆみは予防できるの?

陰部のかゆみを予防するには、下記の方法が有効です。

陰部を洗う

陰部に汗や汚れが溜まると、かぶれやすくなり、感染症の発症リスクも上がります。陰部は常に清潔にしておきましょう。体調が優れず入浴ができない時は、下着を交換してシャワーで陰部を洗ってください。なお、洗うときは低刺激で肌に優しい石鹸を使用しましょう。ただし、洗いすぎてしまうと逆効果になる上、には自浄作用があるので内部は洗わないことも大事です。

肌に優しい下着を身につける

下着は通気性のよい綿素材を選びましょう。また、女性は生理のときナプキンをこまめに交換することも大切です。

コンドームを装着する

かゆみの原因の一つは性感染症です。感染しないよう、性行為の際は必ずコンドームをつけてください。

疲れやストレスを溜めすぎず、休養をとる

細菌やウイルスの種類によっては、抵抗力が落ちたときに増殖し、発症するものもあります。また、かぶれも起こりやすくなります。日頃から十分な睡眠をとり、ストレスや疲れを溜めすぎないようにしましょう。

おわりに:性感染症によってかゆみが起こることも。まずは病院を受診しよう

陰部のかゆみは、主にかぶれや感染症が引き起こすものです。特に感染症の場合は、種類によっては重症化したり、不妊の原因になったりすることがあるので、気づいたら早めに専門外来を受診することが大切です。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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