記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病と診断を受けた子どもは、やがて親のサポートがなくても自分で糖尿病を管理できるようになります。ここでは、糖尿病と診断された子どもたちが思春期を迎えたときの自己管理ついてお話します。
子どもがまだ小さいとき、注射キットを取ったり、注射を手伝うように頼むと、それを見た子どもはインスリン注射の方法を学んでいきます。
さらに、血糖検査とインスリン注射が糖尿病にどうような影響を与えるのかを理解した子どもたちは、自己管理することができるようになります。低血糖になると、ふるえ、発汗、疲労、頭痛または行動の変化が起こるということも理解していくでしょう。
自己管理ができるようになっても、定期的に受診して身体計測し、成長曲線を記録することも重要です。また目標血糖値を知ることは、低血糖症を予防することになります。
早朝と食前 90~145mg/dL
食後 90~180mg/dL
就寝時 120~180mg/dL
60~70mg/dL以下は「低血糖」となるので避けなければなりません。
糖尿病は、治療によって血糖コントロールがされていればほとんどの学校行事への参加には制限がありません。そのためには、本人と家族、学校、主治医の協力が重要となります。
また発達段階にあわせた病気の特性や、それに応じた治療や家族へのサポート体制が必要になります。
学校生活では多くの行事が行われるので、ときにはインスリン注射をし忘れたり、食べてはならない物を食べてしまうこともあるでしょう。それに対して、すべて監視しようとするのは自然な親の反応ですが、子どもの成長を損なう可能性があることに注意が必要です。
子どもの自立心が育まれるように、喫煙や過度な飲酒は症状が悪化することがあるということを話し合いましょう。
糖尿病にとって、血糖管理とともに食事と運動も重要だということをわかってもらうためには、同年齢の人と話すことが必要かもしれません。そのときは、糖尿病支援グループや患者の会が役に立ちます。
患者の会や支援グループは、全国にあります。医師に聞いたり、ウェブで調べたりして自分に合うものを探してみてください。
糖尿病は、妊娠中に合併症を併発することがあります。ですから、妊娠に対しては、慎重に計画する必要があります。思春期では計画外の妊娠を避けるために、確かな避妊方法を知っておくことが重要です。
子どもの糖尿病治療には、小児期の発達段階をよく理解した糖尿病専門医のもとで、しっかり治療を続けていくことが重要です。糖尿病と診断された子どもたちにとって血糖管理とインスリン注射は、長く続けていかなければならない「命綱」です。
本人も周囲の人々も糖尿病を理解することが、糖尿病と歩む上で大切なことです。