栄養不足がうつ病の原因になることはある?どんな食事がおすすめ?

2018/3/16 記事改定日: 2019/6/6
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

うつ病の原因としてはストレスや環境の変化などが有名ですが、実は、「栄養失調」もうつ病を引き起こす要因の一つと言われています。
今回の記事では、うつ病と栄養失調の関連性や、摂取すべき栄養素などを解説します。

うつ病になると、どんな変化が起きるの?

うつ病とは、気分障害の一つです。憂うつな気分や気が重いなどといった抑うつ状態がほぼ一日中、長期間続きます。精神的な症状だけではなく、不眠になったり、疲労が抜けなかったり、倦怠感が伴ったりと身体的な症状が起きることもあります。

日常生活の中で、ストレスによって憂うつになったり、気分が落ち込んだりということは誰にでも起きます。しかし通常であれば、そのような感情の変化は一時的なものであり、ストレスの原因となるものが解消したり、時間が経過したりすれば自然と解消します。

一方でうつ病を発症すると、一定の時間が経過したとしても気分が元に戻りません。結果、職場や学校に行けなくなったりして、日常生活に支障が起こります。

栄養不足がうつ病を引き起こすのはなぜ?

うつ病はさまざまな要因が複雑に絡み合って発症しますが、栄養不足もうつ病の要因になります。

もちろん栄養不足だけでうつ病を発症するということは少ないですが、精神的なストレスや、環境によるストレス、不規則な生活習慣など、さまざまな要因と栄養不足が重なることで、うつ病の発症リスクが高まるといわれています。

ただし、うつ病の発症のメカニズム自体がまだ解明されていませんし、栄養不足がうつ病にどう影響を与えているかは明確にはわかっていません。

ただ、「朝食をしっかり取る、運動する、睡眠を十分に取るなどの規則正しい生活習慣を送っている人はうつ病の発症率が低い」という研究結果も発表されています。
このことから、食生活を見直してバランスの良い栄養をしっかりと摂ることは、うつ病の対策になる可能性があるといえるでしょう。

うつ病発症を助長する可能性がある、不足しがちな栄養素とは?

うつ病に関係する栄養素の中で不足しがちなものとして、代表的なものを6つあげます。

ビタミンA

ビタミンAは、ストレス時に分泌される副腎ホルモンの原料になります。ストレスを感じている場合には摂取したい栄養素です。ビタミンAが多く含まれる食品としては、ニンジンやレバーがあげられます。

ビタミンB1

ビタミンB1が不足すると、集中力が低下したり、イライラしたり、精神的に不安定になります。しっかりと摂取することで、精神的な安定につながります。ビタミンB1が多く含まれる食品としては、玄米、納豆、豚肉などがあげられます。

カルシウム

カルシウムです。カルシウムはマグネシウムと一緒に働くことで、心臓のリズムを整える作用があります。カルシウムが多く含まれる食品としては、海藻類、大豆があげられます。

マグネシウム

マグネシウムが不足すると、イライラや精神が不安定になります。しっかりと摂取することで精神の安定が期待できます。マグネシウムが多く含まれる食品としては、大豆製品、ヒジキ、昆布があげられます。

鉄分

鉄分が不足すると食欲不振につながります。鉄分が多く含まれる食品としては、レバー、ほうれん草、ヒジキがあげられます。

亜鉛

亜鉛には、脳の神経伝達物質を作る作用があります。不足すると精神的に不安定になったり、イライラしたりします。亜鉛が多く含まれる食品としては、レバー、貝類、豆類があげられます。

うつ病回復に役立つおすすめレシピ

抑うつ気分を改善するためには上記のような栄養素を積極的に摂ることが大切です。サプリメントなどで摂ることもできますが、まずは食事からの摂取にトライしてみましょう。ここでは、おススメのレシピを3つご紹介します。

うなぎのひつまぶし風混ぜご飯

うなぎにはビタミンAとカルシウムが豊富に含まれています。スーパーで購入できるウナギを使って手軽な豪華メニューに挑戦してみましょう。

ご飯は適量を炊飯器で炊きます。炊き上がる前にウナギの皮を表にしてオーブントースターで焦げ目がつくまでしっかり加熱しましょう。粗熱を冷ましたら、ウナギを細かく刻んでおきます。

ご飯が炊きあがったら、刻んだうなぎとタレを投入してよく混ぜ合わせ、お好みで刻み大葉や海苔、胡麻などを加え、再び炊飯器の蓋を閉めて10分ほど蒸らしたら完成です。

牡蠣のバター炒め

牡蠣は亜鉛や鉄分を豊富に含み、リッチな味わいがあるため一品でも豪華主菜メニューにすることができます。抑うつ気分が強く、料理をする気にならないときにもおススメですよ。

作り方は簡単!牡蠣はお好みの量を水洗いし、全体に小麦粉をまぶします。バターを良く熱したフライパンで牡蠣を蒸し焼きにすれば完成です。牡蠣から十分なうまみが出るので味付けは必要ありませんが、お好みで塩コショウ、しょうゆなどをプラスしてもOKです。

ひじきの煮物

マグネシウムやカルシウム、鉄分が豊富なひじきは和食の王道。食欲がないときでもさっぱり食べることができるのでおススメです。

ひじきは水に浸して柔らかく戻します。人参、さつま揚げなどお好みの具材を適当な大きさにカットし、ごま油で良く炒めます。そこに下ごしらえ済みのひじきを投入して良く火を通し、だし汁、しょうゆ、砂糖、みりんを加えてよく煮詰めれば完成です。

日持ちするので常備菜としてもおススメですよ。

おわりに:栄養不足はうつ病の発症リスクを高める一因

うつ病はさまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。栄養不足はそれだけでうつ病になることは少ないですが、精神的なストレスや環境的なストレスに重なることでうつ病のリスクを高める可能性があります。

日頃から栄養バランスの良い食事を心がけ、ビタミンAや亜鉛などのうつ病対策に必要な栄養素をしっかりと摂取するようにしましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

ストレス(367) 不眠(18) うつ病(70) 豆類(5) カルシウム(37) 鉄分(18) ビタミンA(14) レバー(11) 亜鉛(15) マグネシウム(18) ビタミンB1(9) 栄養失調(3) 倦怠感(27)