記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
筋肉トレーニングをしている方であれば、「クレアチン」「BCAA」などのサプリを飲んだことがあるのではないでしょうか。今回の記事では、これらのサプリの正しい組み合わせ方を中心にご紹介していきます。
クレアチンはアルギニン、グリシン、メチオニンという3種類のアミノ酸からつくられている窒素性有機化合物です。大部分が骨格筋の中に存在し、筋肉にエネルギーを供給するための大切な物質です。一般的には、体重70kgくらいの成人は体内に約120gのクレアチンが存在しているといわれます。そして、1日に約2gのクレアチンが消費されて体外に排出されます。
クレアチンは肝臓、腎臓、膵臓で合成され、肉や魚など食事から摂ることもできます。しかし、スポーツやトレーニングの際には、サプリメントで積極的にクレアチンを摂り効率的に運動パフォーマンスを向上させることが期待されています。
クレアチンは、糖質を摂った際に分泌されるインスリンによって筋肉に運ばれます。そのため、食後や間食後、あるいはジュースなどに併せて摂ると良いでしょう。
また、規定量のクレアチンを一定期間摂取し、体内のクレアチン容量を最大限まで満杯にする方法をローディングといいます。体内のクレアチンは一度満杯になると、以後は過度に摂取しても尿として排出されるだけになります。そのため、一度ローディングを行った後は、少量のクレアチンを摂取して維持をしていきます。
効率良い筋力アップを目的に摂ることが勧められるサプリメントは、クレアチンの他にもBCAAやプロテインがあります。BCAAやプロテインは運動によって壊れた筋肉を補修や補強するためのものであり、エネルギーを補給するクレアチンとは目的が異なります。クレアチンをBCAAやプロテインと組み合わせて摂ることで、より効果的にトレーニングが行えると考えられます。
プロテインとクレアチンは、共に糖質を摂ったあとに分泌されるインスリンによって運ばれます。そのため、いずれも間食後や食後に摂ると効率的です。また、プロテインには既に糖質が含まれていることがあります。その場合は、プロテイン、クレアチンの順に摂るとよいでしょう。
BCAAは吸収が速いので、運動前後や運動中にも積極的に摂ると良いでしょう。それぞれが効率的に吸収される場面が異なるため、あえて同じタイミングで飲む必要はありません。
BCAAとプロテインは、筋肉組織を補う点で目的は同じですが、その吸収スピードが異なります。もし一緒に摂るときは、BCAAを先に摂ると良いでしょう。
クレアチンは、筋肉へのエネルギー供給という大切な役割を果たしています。BCAAやプロテインと併せて摂ることで、より効率的にパフォーマンスがアップすることが期待されます。それぞれの特徴に合わせて、サプリメントをうまく併用してみてください。