記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
疲れ目の改善や動脈硬化予防の効果があるとされる「アスタキサンチン」には、まだまだ他の嬉しい効果もあると言われています。今回の記事ではアスタキサンチンの疲労回復効果や美容面でのメリットについて解説します。
アスタキサンチンは、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンやトマトに含まれるリコピンなどと同じ成分であるカロテノイドの一種で、天然の赤い色素成分のことを言います。アスタキサンチンの持つ機能についてはさまざまな研究が行われており、現在では生活習慣病予防効果、抗疲労作用、抗炎症作用、美肌作用などが発表されています。
特に近年注目されているのが強力な抗酸化成分で、自然界最強の抗酸化成分ともいわれています。
アスタキサンチンには実は疲労効果があり、肉体的な疲労回復のみではなく、精神的な疲労回復にも効果があるとされています。
運動するときに筋肉を収縮させる主なエネルギー源は糖質と脂質になりますが、長時間激しい運動をすると糖質のみが筋肉を収縮するエネルギーに利用されるため、貯蔵している糖質のエネルギーが減少し、筋肉を収縮するためのエネルギーが作られなくなります。これにより、肉体的な疲労が生まれます。
しかし、アスタキサンチンの摂取により脂肪が優先的にエネルギーに変えられるため、糖質の使用量が抑えられることから、筋肉の疲労軽減、疲労物質である乳酸の抑制につながると考えられています。また、アスタキサンチンには、運動中に発生した活性酸素による筋肉痛の原因ともなる筋損傷を軽減する効果もあると言われています。
精神疲労は中枢性疲労ともいわれます。精神疲労は、長時間の運動による低血糖、運動によってニューロン活動の活発化や、それに伴う脳内にセロトニンやノルアドレナリンという神経伝達物質の増加などによって脳グリコーゲンが減少することで起こるとされています。
アスタキサンチンは、その脳グリコーゲンの利用を抑制してくれるため、中枢性の疲労に対しても効果があるとされています。
アスタキサンチンには、紫外線のダメージの軽減効果もあると考えられています。アスタキサンチンは紫外線によって発生する活性酵素であり、かつ活性酸素のうち毒性が強い一重項酸素を消去する働きがあるのです。この一重項酵素は紫外線により皮膚細胞中に発生し、シミやシワなど肌の老化の原因、皮膚癌を促す恐れがあります。
アスタキサンチンが一重項酸素を減少させる効果があることはさまざまな実験で確認されており、その効果は代表的な抗酸化物質であるコエンザイムQ10の約800倍、β-カロテンの約40倍といわれています。
また、紫外線を浴びることで生じる一重項酸素はコラーゲン量そのものを減少させてしまうともいわれていますが、アスタキサンチンはこのコラーゲン量をも守ってくれる働きがあります。これはアスタキサンチンが紫外線により生成される一重項酸素を消去することが関係しており、6 週間アスタキサンチンを摂取し続ける実験にて、ターンオーバー後の新生コラーゲンの酸化や分解を防いで肌のコラーゲンが保護されたという結果が出たからです。
あらゆる研究で、アスタキサンチンのさまざまな効果が判明してきています。シミを防ぎたいという方も、最近お疲れ気味の方も、ぜひアスタキサンチンを摂取してみてください。