倦怠感が主症状のひとつ 〜 薬物性肝障害とは? 〜

2018/4/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

特定の薬を服用する習慣がついてから、倦怠感や黄疸などの症状が見られるようになった場合、「薬物性肝障害」を発症している可能性があります。以降では、薬物性肝障害の代表的な症状や早期発見の重要性についてお伝えしていきます。

薬物性肝障害はどんな病気?

薬の代謝は肝臓で行われていることが多いですが、その代謝産物が肝臓に現れた際、肝機能障害を起こすことがあります。これが薬物性肝障害です。

薬物性肝障害を引き起こす代表的な薬としては、解熱消炎鎮痛薬や抗がん剤、抗真菌薬や漢方薬などがあげられます。市販医薬品によっても、薬物性肝障害が見られることもあります。また、薬を単独で服用した場合は起こらなくても、複数服用したことで肝障害が出ることもあります。

薬物性肝障害は、もともとアレルギー体質の人に出やすい傾向があります。また、薬の代謝や分解にかかる時間には個人差があるので、薬によっては半年~2年服用を続けた後に肝機能障害が現れることもあります。肝障害が生じていることに気づかず薬を服用していると、重症化することがあるので注意が必要です。

薬物性肝障害の代表的な症状

薬物性肝障害になると、初期症状として、発熱やかゆみ・発疹といった皮膚症状が出ることがあります。その後現れる一般的な症状は、黄疸や全身倦怠感、食欲不振です。

なお、アレルギー体質の人の場合、肝障害の初期症状として38~39℃の発熱や発疹などのアレルギー症状が早期に現れ、全身倦怠感や嘔気・嘔吐などの消化器症状が次第に強く出現する傾向にあります。

早期発見が大切な理由と早期発見のポイント

薬物性肝障害にも関わらず起因薬物の摂取を続けてしまうと、肝障害が進行し、肝不全などの重篤な病気に陥ってしまう恐れがあります。このため、早期発見が非常に重要です。また、早い段階で適切な処置を行えば、症状悪化の防止も期待できます。

まず、服薬後に倦怠感や黄疸、吐き気、発疹、発熱といった異常が急に見られたり、持続している場合はすぐに医師にその旨を伝えましょう。特に抗がん剤、抗糖尿病薬、高脂血症薬、痛風薬、睡眠薬や抗うつ剤などは肝障害を引き起こす可能性がある薬なので、これらが処方される場合は、医師や薬剤師から肝障害を含めた副作用の可能性について説明を受けるようにしてください。

なお、薬物性肝障害を発症しても何も症状が現れないこともあるので、定期的に肝機能検査を受けることをおすすめします。検査は、薬の服用開始後2ヵ月間は2~3週に1 回受けることが望ましいです。特に習慣的によくお酒を飲む人の場合は、肝細胞内で脂質過酸化が起こりやすくなっており、薬物性肝障害を起こしやすいので注意が必要です。肝疾患や腎臓病の持病がある方も、薬物性肝障害の発症リスクが高いので注意しましょう。

おわりに:肝不全を引き起こすこともある薬物性肝障害。異変が見られたらすぐに病院へ

薬物性肝障害に気づかず薬の服用を続けていると、肝不全など深刻な状態に陥ってしまうリスクがあります。黄疸や倦怠感、吐き気といった異変がみられたら、すぐに病院を受診しましょう。また、異変が見られなくても定期的な肝機能検査を受けておくことが非常に重要です。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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