記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/22
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
体脂肪の燃焼効果があるとして、近年人気を集めている「緑茶カテキン」ですが、緑茶カテキンの持つ健康効果はまだまだ他にもあります。具体的なその他の効果について、以下でご紹介していきます。
緑茶には、カテキンと呼ばれるポリフェノール成分が含まれています。カテキンには分子構造から大きく分けて、「遊離型カテキン」と「ガレート型カテキン」の2種類があり、そのうち、ガレート型カテキンには、食物中の脂肪分の吸収を抑える働きがあるとされます。
脂肪は、小腸から分泌されるリパーゼという消化酵素の作用によって、脂肪酸とグリセリンに分解され、体内に吸収されます。しかし、ガレート型カテキンを摂取すると、リパーゼの働きが阻害されるようになり、体内への脂肪の吸収量が下がります。そしてその分体内に蓄積されている内臓脂肪や皮下脂肪が燃焼され、使われやすくなるのです
よって、ガレート型カテキンには「ダイエット効果がある」と説明されることが多いのです。もっとも、緑茶を飲めば必ず痩せるというわけではありませんので、適切な食事や運動との併用が大切です。
普段、私たちは呼吸によって酸素を取り込んでいますが、そんな酸素の一部に、様々な物質と結びつきやすい活性酸素があります。この活性酸素は体内に取り込まれると、免疫機能や代謝の促進など一定の機能を果たすのですが、一方で細胞などを傷つけて人体の老化を早める側面もあります。特に40歳を過ぎる頃になると、活性酸素の作用に抵抗する自浄能力も低下してしまいます。
緑茶カテキンは、そんな活性酸素の発生を抑えてくれる「抗酸化作用」のある成分のひとつです。カテキンは、食品の中に含まれている抗酸化成分の中でも、特に強力な作用が認められるといわれています。
虫歯は、口内に棲みつくミュータンス菌などの細菌が歯に付着し、発生させた酸によって歯の表面を保護する硬質のエナメル質が溶かされてしまっている状態です。緑茶カテキンは、ミュータンス菌が増殖するのを防ぎ、歯への付着も抑制しますので、虫歯の予防にも効果がある成分です。
また、緑茶カテキンには、体内に侵入しようとするウイルスから身体を防御する作用があるといわれています。特に冬季にお茶でうがいをすると、インフルエンザの予防に効果があることで知られています。ウイルスの表面にはトゲのような突起があり、このトゲで人体の細胞に付着するのですが、カテキン成分はこのトゲの先に取り付きます。よって、ウイルスが体内に入り込みづらくなるとされているのです。
カテキンにはダイエット効果があるとされ、高濃度のカテキンを含む特殊な緑茶も売り出されていますが、カテキン成分はダイエットだけでなく健康全般にいい影響をもたらします。ただ、緑茶の飲み過ぎはカフェインの摂取過剰になり、別の身体症状を引き起こす恐れがあるので、適量を守りましょう。