お酒の強い・弱いは、アルコールの分解力の差だった?!

2018/3/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

飲み会の席などでよく話題になる「お酒が強い」「弱い」という話ですが、このお酒の強さはアルコールの分解力によって決まるということを知っていますか?アルコールが体内で分解されるメカニズムと一緒に、解説していきます。

お酒の強い・弱いに差があるのはどうして?

お酒を飲むと、その中に含まれるアルコールが人体に有害なアセトアルデヒドに変わります。このアセトアルデヒドを分解し、無害の酢酸に変換するのがALDH(アルデヒド脱水素酵素)で、ALDHの作用のおかげで私たちは自然に酔いを覚ますことができます。

ALDHには、アセトアルデヒド濃度が高いときに作用する「ALDH1」と、アセトアルデヒド濃度が低いときに作用する「ALDH2」があります。ただ、人によってはALDH2の作用が弱かったり、まったく働かなかったりします。ALDH2がうまく作用しないと、少しのアルコールでも顔面紅潮・動悸・頭痛などの「フラッシング反応」を起こし、やがて気分が悪くなり、嘔吐などをしてしまいます。これはつまり「お酒に弱い体質」といえます。

お酒の「強い」「弱い」という体質の差が生じるのは、日本人を含む黄色人種(モンゴロイド)にみられる特徴です。日本人のうち、約半数はALDH2の働きが弱いか、まったく働かない「お酒に弱い体質」の人です。しかし、黒人(ネグロイド)や白人(コーカソイド)にはALDH2が不活性の人はほとんどおらず、その意味では「お酒に強い体質」の人ばかりです。

お酒を飲むと身体の中では・・・

お酒の中のアルコールは胃と小腸上部から吸収され、血液に溶け込み、門脈という大きな静脈を通じて肝臓へ運ばれます。そして肝臓のALDHの作用によって、アルコールやアセトアルデヒド濃度が調整された血液が全身へ運ばれます。しかしこのときALDHの働きが弱いと、アルコールやアセトアルデヒド濃度が高いままの血液が全身に運ばれるため、悪酔いを起こしやすくなります。

アルコールが分解されるしくみについて

他の食べ物などと比べて、アルコールは体内での吸収・分解が速やかに行われます。血中アルコール濃度のピークは、お酒を飲んだ後の約30分~2時間後です。

アルコールはアルコール脱水素酵素(ADH)によって有毒なアセトアルデヒドに変わり、アセトアルデヒドはALDH2の作用で酢酸に変えられます。酢酸は全身の筋肉などでさらに分解されて、最終的には水と二酸化炭素となり、呼吸などによって体外へ排泄されます。

ビールの中瓶1本には約20gのアルコールが含まれていますが、このアルコールを体内で分解するのに、男性は平均約2時間、女性は約3時間かかります。ただし、ALDHの活性度によって個人差は大きくなります。また、若者や高齢者はアルコール分解速度が比較的遅い傾向があります。

おわりに:お酒の強さにはかなりの個人差が。自分に合った飲酒量を守ろう

特に日本人は、お酒に「強い」「弱い」の差がはっきり現れます。同じ量のアルコールを飲んでも、酔い方には個人差があり、中にはアルコールをまったく受け付けない人もいます。健康のためには、自分に合った飲酒量を把握し、それを守ることが大切です。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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