ビート(甜菜)を食べるとどんな栄養が摂れるの?

2018/3/23 記事改定日: 2019/9/25
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

イギリスなど海外では一般的な野菜である「ビート」。今回の記事ではこのビートが含んでいる栄養素や効果、調理時のポイントなどを幅広くお伝えしていきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

ビートってどんな野菜?

ビートは真っ赤な野菜で、甘みと食感に特徴があります。日本では、砂糖の原材料となる「甜菜」として知られています。地中海沿岸に多く生息しており、成長すると60~80cmの高さになります。

ビートにはいくつか種類があります。ロシアの伝統料理「ボルシチ」にも使われるテーブルビート、赤色・黄色・桃色と色鮮やかな野菜のリーフビート、砂糖の原材料にもなるシュガービートなどがあり、調理用途や目的によって適宜使い分けられます。

ビートに含まれる栄養素には、カリウムやマグネシウム、鉄や亜鉛、ビタミンB類、ナイアシン、葉酸、食物繊維などがあります。様々な栄養素を補うのに適した食材です。

ビートを食べるメリットは?

ビートを食べることで得られるメリットとして、以下の3つがあります。

整腸作用
ビートに含まれる「ラフィノース」というオリゴ糖は、胃や小腸まで消化・吸収されずに届き、腸内の善玉菌であるビフィズス菌の栄養源となって増殖を促します。また、ラフィノースは、腸内壁にある細胞の新陳代謝を活性化させ、腸運動を刺激します
肝機能を高める働き
ビートに含まれるベタインは、肝臓に脂肪が溜まるのを予防します。加えて、脂肪が既についた肝臓には、解毒作用のあるグルタチオンの生産を増加させます。こういった働きで、脂肪肝や肝硬変の予防に効果を発揮します
高血圧予防
ビートには、カリウムが多く含まれています。カリウムは、高血圧の原因となる体内のナトリウムの排出を促してくれます

ビートの調理法は?

ビートを食べるときは、次のように下ごしらえしましょう。

生で食べる場合
皮を厚めにむいて薄切りすれば、そのまま食べられます
茹でる場合
根と茎を2.5~5cm残すようにカットして水洗いして、鍋に入れましょう。酢を少々加え、30分ほど弱火で温めます。仕上げに塩を少々加え、弱めの流水に当てて皮がはがれたら火の通った証拠です。包丁で皮をむき、好みのサイズにカットしましょう。
オーブンで焼く場合
水洗いしたビートをアルミホイルで包み、180度のオーブンで40分ほど焼きます

なお、使用前のビートはビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存します。1週間以内を目安に食べきりましょう。

おわりに:ビートは栄養も豊富で、調理の幅も広い野菜です

  • ビートは栄養が豊富で、整腸作用や肝機能増進、高血圧予防まで多岐にわたる効果を持つ
  • 下ごしらえをしっかりすれば、おいしく食べることができる

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