ベルベリンが主成分の生薬「黄柏(おうばく)」について

2018/3/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

日本では漢方薬などで使われることのある「黄柏(おうばく)」。この黄柏は「ベルベリン」という主成分からできていますが、ベルベリンには一体どんな作用があるのでしょうか。以降で詳しくご紹介していきます。

黄柏(おうばく)とベルベリンの関係性とは?

黄柏(おうばく)は、日本で古くから漢方薬として親しまれてきた生薬の一種です。キハダと呼ばれる木の黄色い樹皮を原料とし、粉末にしたものが黄柏となります。口に入れると強い苦みを感じますが、治したい症状にあわせてそのまま服用したり、水や他の生薬と混ぜて飲んだり、患部に貼り付けるなどして使用します。

黄柏は、強い苦みの代わりに淋菌、黄色ブドウ球菌、赤痢菌、コレラ菌など様々な細菌に対する抗菌、抗炎症、解熱鎮痛、胃腸の働きを促進する作用をもたらしてくれます。そしてこれらの苦み、効果・効能の正体こそ、黄柏の主成分である「ベルベリン」の作用なのです。

黄柏の産みの親「キハダ」の利用方法について

黄柏の原料となるキハダは、日本を含むアジア東北部の山中に自生する、ミカン科キハダ目の落葉植物です。木の高さは平均10〜15m、大きいものでは20m以上になることもあり、春から夏にかけて黄緑色の小さな花を咲かせるという特徴があります。

樹皮にはコルク質のものの内側に黄色い樹皮が隠れており、この黄色い樹皮が古くから黄柏の原料として健胃整腸剤、下痢止めの他、眠気覚ましなどに使われてきました。なお、黄柏の原料であるキハダの黄色い樹皮に含まれるベルベリンの量は、寒い地域の木よりも、温かい地域の木の方がより多くなることがわかっています。

また、キハダは薬としてだけでなく染料としても活用されていて、黄色の染色の他、赤や緑の色を引き立てるための下染め用の染料としても重宝されています。

黄柏にはどんな効果があるの?

黄柏を薬として使用した場合、主成分のベルベリンの作用によって消化促進や下痢の改善、炎症の軽減などの効果が期待できます。たとえば、消化不良や下痢などによる腹痛、胃腸の不快感がある場合には、1日3回毎食後に1gずつ、黄柏の粉末を服用するのがおすすめです。黄柏に含まれるベルベリンが唾液、胃液、すい液、胆汁などの消化液の分泌を促進し、さらに殺菌・抗炎症作用によって下痢を抑えることで、症状の改善させてくれます。

また、黄柏の抗炎症作用は、消化器官だけでなく皮膚への外用薬としても有効です。外用消炎薬として使用する場合は、黄柏の粉末に食酢を加えてよく練ったものを打撲ややけどした部位に塗布し、ガーゼをかぶせておけばOKです。

なお、いずれも医師の指示のもと実践するようにしてください。

おわりに:黄柏は日本で古くから愛されてきた薬。効果を知って上手に使おう

黄柏などの生薬は、古くから日本で愛されてきた薬です。病気は西洋薬での治療が主流となった現在でも、その効果・効能から漢方薬などで使用され続けています。下痢や腹痛などに見舞われたときに、黄柏での治療を試してみてはいかがでしょうか。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

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