記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/24 記事改定日: 2019/5/27
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ビタミンB群の一種である「ビオチン」。このビオチンは、健康上どんな効果をもたらすのでしょうか?また逆に、ビオチンが不足すると身体にどんな影響が出るのでしょうか?
この記事では、ビオチンの働きとビオチン欠乏症について解説していきます。
ビオチン欠乏症とは、ビオチンの不足が原因で、ビオチンが作用しているエネルギー代謝や皮膚と髪の毛の健康維持などに様々な支障をきたしてしまう状態のことです。
発症すると
などの症状が現れます。
ビオチンは、エネルギーの代謝補助や、皮膚・髪の毛の健康維持と強化、筋肉痛を和らげるといった作用を持つ、人体の健康維持に欠かせないビタミンB群の一種です。
おもな働きとして以下の3つがあります。
ビオチンは体内で合成できることもあり、通常、人体がビオチン不足に陥ることはほとんどありません。
ただし、不規則な生活習慣や偏食によって極端に腸内環境が乱れたり、抗生物質の服用によって腸内細菌に影響がみられるような場合には、ビオチン不足になることもあります。
ビオチン欠乏症には、先天的な異常が原因になるものと、後天的な食生活などが原因となるものがあります。
先天的な異常が原因となるものには、ビオチンの代謝に必要なホロカルボキシラーゼやビオチニターゼなどの酵素が欠損する病気が知られています。
一方、後天的な原因としては、食物アレルギー治療用のミルクを長期間にわたって摂取する事などが挙げられます。
ビオチン欠乏症を予防するには、体内のビオチン合成量が上がるように生活習慣を見直したり、サプリなどで摂取するのが効果的です。食品から効率的に摂取するなら、あわせてビタミンB1・B2、葉酸、パントテン酸など、他のビタミン群と摂るのがおすすめです。
なお、ビオチンは水溶性のため、摂りすぎてしまっても尿と一緒に体外へ排出されます。たくさん摂っても摂りすぎる心配はありませんので、意識して摂取しましょう。
ビオチンは、身体のエネルギー代謝や健康維持に欠かせない大切なものです。健康的な生活を送っていれば問題なく体内で合成されますが、不規則な生活や薬の副作用が原因で、欠乏してしまう恐れもあります。健康維持のためにも、日ごろから積極的にビオチンを摂取するよう心がけましょう。