骨粗鬆症を防止しよう。高齢者へ強い骨の維持法を伝授!

2017/3/21

佐藤 典宏 先生

記事監修医師

産業医科大学第1外科

佐藤 典宏 先生

年をとるにつれて、骨が弱くなってしまうのは事実です。しかし、骨が脆くなってしまうスピードを遅くしたり、骨粗鬆症を予防するために日ごろからできることはたくさんあります。今回は高齢者でも強い骨を維持する方法をご紹介します。
本人だけでなく、周囲に高齢者がいる方にもぜひアドバイスしてみましょう。

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高齢者の骨粗鬆症について

高齢になると、運動をするための体力が減少したり、運動をすることでかえって体に悪影響を及ぼさないか心配になるため、一般的に、年齢を重ねるにつれて活動量が減っていく傾向にあります。
また、関節の痛みなどの身体的な問題も、活動量を減らす一つの原因になっています。
この活動量の減少が起因で、筋肉や骨が弱体化し、骨粗鬆症を起こすきっかけとなります。
なお、女性の喫煙者は非喫煙者より、特に閉経後に骨粗鬆症になる可能性が高いといわれています。

骨粗鬆症の兆候

重度な徴候があるまで、骨粗鬆症を患っていることを知ることはできません。 徴候には頻繁な骨の損傷や骨折、腰痛や後弯症が含まれます。 骨粗鬆症は脊椎(背骨)を弱める可能性があるので、時間の経過と共に身長が低くなることもあります。
これらの問題は、骨のカルシウムの多くが失われた後に起こる傾向があります。

健康な骨を維持するための運動

どんなことであっても、何かをすることは、何もしないことよりもいいことです。
高齢者が健康でいるためには、週に150分の中程度の運動を10分/1セットとして行うことが推奨されています。
中程度の運動とは、体があたたまり、呼吸が早くなり、心拍数が上がるけれども、まだ会話ができる状態をいいます。たとえば、友達とゴルフに出かけたり、ガーデニング作業をしたり、犬の散歩に出かけたりなどがあります。
また、転ぶリスクを減らすために、バランス感覚を養うための運動を週に2回行うこともおすすめです。ヨガや太極拳が有効的です。このような運動は、関節痛にも効果的です。
高齢者にもう一つ提案したいのは、座りっぱなしの生活にならないようにすることです。座っている時間が長いと、骨や筋肉が弱くなってしまうだけでなく、関節も硬くしてしまうため、転倒のリスクも高まります。20~30分座ったら、立ち上がって軽く歩き回るように心がけましょう。
関節の痛みなどの身体的な問題を抱えていても、運動を控える必要はありません。

健康な骨を維持するための食事

人によっては、年をとるにつれて食欲が落ちると感じる人がいます。食べる量が少ないと、筋肉や骨を強く健康に保つために必要な栄養素を十分に摂取できない可能性があります。
活動的でいることが、食欲を増進させます。それでも、食欲のない日が続いたら、栄養バランスの良い食生活を心がけることが大切です。
バランスの取れた食生活を維持すれば、必要な栄養素をまんべんなく摂取することができます。筋肉と骨には、特にカルシウム、ビタミンD、たんぱく質が重要です。カルシウムは、骨や歯を強く固くし、ビタミンDはカルシウム生成を手助けます。
たんぱく質は、筋力の強化のために重要です。たんぱく質の摂取量が少ないと、高齢者の腰の骨の骨折リスクが高まります。
バランスの取れた食生活が重要なもう一つの理由は、健康的な体重を維持するためです。体重が少ないこともまた、骨折リスクを高めます。
食生活が理想的ではないと感じる場合は、カルシウムとビタミンDを含むサプリメントの摂取も考えてみてください。

おわりに

いかがでしたか? 年をとると、骨粗鬆症や転倒よる骨折するリスクが高まりますが、日ごろの生活を見直すことでこれらのリスクを減少させることが可能です。
また、骨を丈夫に維持することができますのでぜひ参考にしてみてくださいね。

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