記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
市販の洗剤にも含まれる「リモネン」。レモンやオレンジなどの柑橘類の皮に含まれている精油成分ですが、このリモネンは健康上どんな効果をもたらしてくれるのでしょうか?おすすめの摂取の方法と併せてご紹介します。
リモネンは、レモンやオレンジ、グレープフルーツといった柑橘系の果物の皮に含まれている精油成分です。柑橘系の果物に特徴的な爽やかで甘酸っぱい香りをしていて、リラックス効果や食欲増進効果、逆に自律神経のひとつである交感神経を刺激し、覚醒させる作用もあると言われています。
リモネンが利用されるのは、香りを楽しむシーンだけではありません。リモネンの液には発泡スチロールを溶かす作用があるため、溶剤としても利用されています。
アロマテラピーや溶剤として広く利用されているリモネンですが、染み抜き洗剤としても使用できると言われています。その理由は、リモネンに油分を溶かす作用があるからです。実際、みかんなどの柑橘系果物の皮でマジックの染みをこすると、染みがきれいに取れると言われています。
このリモネンの作用は製品としても実用化されており、市販の洗剤やクリーニング店で使う洗浄剤にも使用されています。
リモネンには、最初にお話ししたようにさまざまな効果があります。香りの成分が吸収されると、脳内にα波が出ることがわかっています。これはリラックスしているときに出るもので、香りの成分にリラックス作用があるのではないかと考えられています。
また、交感神経を刺激するため、血行が良くなって代謝が促進されたり、頭をスッキリさせたりする効果もあると言われています。
あまり知られていないところでは、免疫細胞の働きを整える作用や、唾液の分泌を良くして食欲を促進させる作用、抜け毛の原因となる酵素の働きを抑える作用などもあるそうです。
リモネンは、最初にご紹介したようにレモンやオレンジなど柑橘系果物の皮に多く含まれている物質です。柚子の皮などは料理にも使えますし、皮や果実そのものをお風呂に浮かべて、香りで吸収してもいいかもしれません。
果汁にもリモネンは含まれていますので、実を食べても摂取することができます。かぼすやレモンを香りづけに絞るのも良いでしょう。また、リモネンのサプリメントも販売されていますので、そちらを活用するという方法もあります。
食物やサプリメントを摂取する以外の方法としては、アロマテラピーで香りを楽しむ方法もあります。ネロリやフランキンセンス、ユーカリラジアタ、レモングラスといった精油にもリモネンは含まれているので、柑橘系の香りがあまり好みではないという方はそちらもおすすめです。
また、リモネンが含まれている樹脂の香りには、気持ちを落ち着かせる効果もあると言われています。
リラックス作用などの効果があるリモネンは、食材としてもアロマオイルとしても生活に取り入れやすい成分です。薬のように劇的に効果があるものではありませんが、普段の体調管理のサポートとして、取り入れてみてはいかがでしょうか。