記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/3/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
CMなどでよく耳にする「ローヤルゼリー」。蜜蜂が作り出すもの、ということは何となくご存知かもしれませんが、具体的にどんな健康効果が秘められているのでしょうか?以降で詳しくご紹介します。
ローヤルゼリーは、ミツバチが花粉を材料に体内で合成した、栄養価の高いクリーム状の食物です。蜂蜜と混同される場合がありますが、蜂蜜は花から分泌された蜜をミツバチが採取し、巣の中で熟成させた栄養分であって、ローヤルゼリーとはまったく別のものです。
ローヤルゼリーは、ミツバチの巣の中でも、女王蜂だけが食べることを許されます。巣の中でたくさん生まれてくるミツバチのメスの幼虫の中で、1匹だけにひたすらローヤルゼリーが与えられ、女王蜂として育てられるのです。
他のメスは働き蜂になるのですが、先天的な遺伝子の構造としては、女王蜂と大差ありません。しかし、後天的にローヤルゼリーが与えられた女王蜂は、働き蜂より一回りも二回りも大きな体格にまで育ち、寿命もはるかに長くなるのですから、その事実からもローヤルゼリーの栄養価の高さが窺えます。
ローヤルゼリーはその加工方法などによって、大きく3種類に分けることができます。
巣から採取して間もない、新鮮な「生ローヤルゼリー」は、希少価値の高い栄養食品ですが、味や匂いに癖があるため、決して美味しく食べられるものではありません。ペースト状などに、最小限で加工されていることがあります。
生ローヤルゼリーから、水分のみを飛ばしたものが「乾燥ローヤルゼリー」です。生ローヤルゼリーよりも長期の保存が利くため、カプセルなどに閉じ込めて、サプリメントとしても販売されています。
生ローヤルゼリーや乾燥ローヤルゼリーに、添加物を加えたり加工を施したりしたものが、「調整ローヤルゼリー」です。こちらもサプリメントとして提供されているほか、錠剤や健康ドリンクとして販売されていることもあります。
ローヤルゼリーには、様々なビタミンやアミノ酸、ミネラルなどがバランスよく豊富に含まれています。
また、デセン酸やビオプテリン、類パロチンなど、ローヤルゼリーの中にしか存在しない特有成分もあります。デセン酸には、免疫力を高める抗菌作用や血圧降下作用、さらに発癌抑制作用などが認められていますが、まだ研究段階です。
ローヤルゼリーの成分であるパントテン酸には、風邪やインフルエンザにかかりにくくする、強力な抗体を体内に生じさせる効果があります。類パロチンは、血管や臓器、筋肉などの老化を防ぎ、肌を生き生きと若く保つ効果があります。
また、アセチルコリンには自律神経の乱れを快復させ、脳の老化を防ぐ作用があることで知られています。さらに、ローヤルゼリーに含まれる必須アミノ酸のひとつであるメチオニンには、脂肪肝を防いで肝機能を高める効果があります。
ローヤルゼリーは、ローヤル(王室)の名が付くとおり、1匹のメス蜂を、膨大な量の産卵を可能にする女王蜂に育て上げるための豊富な栄養素が含まれています。ただ、生のローヤルゼリーは食べにくいので、慣れないうちは無理をせず、「乾燥」や「調整」のものを選ぶのがおすすめです。