食事で免疫力を高めることはできるの?どんなものがおすすめ?

2018/4/20 記事改定日: 2020/1/20
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

風邪やインフルエンザなどの感染症にかからないために、大切なのが「免疫力」です。この免疫力を上げるためには、どんな食べ物を食べた方がいいのでしょうか?免疫力を上げるための生活習慣のコツと併せてご紹介します。

免疫力はどんな役割を果たしているの?

免疫は、病気から体を守る仕組みのことです。

免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」の2種類があり、前者はざっくり言うと体内に侵入してきた病原体に最初に攻撃を加えるもの、後者は自然免疫の攻撃を逃れた病原体に対応するものです。

通常、皮膚や鼻水、咳などが病原体の侵入を防いでくれていますが、これらをすり抜けて侵入してきた病原体に対して、役割を果たすのが免疫なのです。

免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなったり、がんなどの病気のリスクが高まったりします。
免疫力は、加齢や過剰なストレス、生活習慣の乱れなどによって低下します。
免疫が過剰になれば自己免疫疾患などのリスクが上昇し、逆に低下することで感染症に弱くなってしまいます。

免疫力は食事の工夫で整えられる?

免疫力低下を防ぐカギは、腸内環境にあるといわれています。
腸は食べ物を消化・吸収し、排泄する役割を担っていますが、これらの食べ物には病原菌が含まれている可能性があります。こういった病原菌の侵入を防ぐためにも、腸は免疫力を保っておく必要があるのです。

腸内のバランスを整えるために、ヨーグルト、漬物、味噌などの発酵食品や食物繊維、オリゴ糖などをバランスよく適量摂るようにしましょう。
トマトやりんご、お茶などに含まれるポリフェノール、魚に含まれるEPAも、炎症を抑える効果があり、免疫力の維持につながると考えられています。

なお、こうした必要な栄養素はサプリメントに頼りすぎることなく、食事で摂るのが理想です。根菜や豆類、卵や肉、魚などバランスよく食べるようにしてください。

免疫力を高めるおすすめレシピ

免疫力を高めるには規則正しくバランスの良い食生活を心がけることが大切です。特に上記のような栄養素の含まれる食材を積極的に摂るようにしましょう。
ここでは免疫力アップにおススメのレシピを3つご紹介します。

野菜スープ

体の疲れを癒すビタミン類が多く含まれた野菜をたっぷり煮込んで作ったスープは飲みやすく、多くの野菜を摂ることができるのでおすすめです。

白菜やニンジン、ゴボウなどお好みの葉物野菜や根菜は適当な大きさにカットし、豚肉と共に胡麻油で良く炒めます。そこに水とコンソメキューブを投入して良く煮込み、野菜が柔らかくなったらしょうゆや塩コショウで味を整えれば完成です。

マイタケのきんぴら

カルシウムの吸収をサポートするビタミンDを多く含むマイタケは免疫力アップの強い味方です。きんぴらにすることで常備菜にすることもできます。
皮をむいてあく抜きしたレンコンとマイタケを適当な大きさに切って、鷹の爪を熱して辛味と香ばしさを出したごま油で良く炒め、しょうゆ・みりん・砂糖で味を整えれば完成です。

ジンジャーシロップ

身体を温める成分が含まれる生姜は免疫力アップのためにも積極的に摂りたい食材です。シロップにして飲み物に混ぜることで生姜を気軽に摂ることができます。

生姜は皮をむいて薄切りにし、砂糖・水・唐辛子・胡椒と共に鍋で良く煮込みます。30分ほど煮込んだら、濾して液体成分を取り出したら完成です。お好みに合わせてシナモンパウダーなどを混ぜるのもおススメです。

自炊できないときの食事はどうすればいい?

免疫力を高めるには上で述べたように食生活を整え、免疫アップ効果が期待できる食材を積極的に摂ることが大切です。そのためには自炊が理想的と考えられます。

しかし、仕事や育児などに忙しい毎日を送っていると必ずしも毎食自炊ができるわけではないでしょう。また、体調が悪いときにも自炊が困難となる場合があります。

そのようなときはもちろん外食やデリバリー、コンビニなどで食事を調達して問題ありませんが、高カロリー、高脂質なメニュー、塩分や糖分の多いメニューは避けるようにしましょう。できるだけ和食を中心に野菜をたっぷり使ったメニューや腸内環境を整えてくれる乳製品や発酵食品を選ぶことが大切です。

免疫力を整えるために、食事以外でどんなことをすればいい?

免疫力を整えるには、次のことを実践してみてください。

適度に運動する

散歩やウォーキングなどの適度な運動は、免疫細胞の働きを活性化するといわれています。

良質な睡眠をとる

良質な睡眠は、免疫力を保つために必要です。眠れないときも体を横にしましょう。

禁煙・禁酒する

喫煙習慣や飲酒は、免疫力を低下させる要因と言われています。事実、日常的に飲酒をする人は発がん率や呼吸器感染症の感染率が高いとされています。

体を温める

医学的に完全に立証されたわけではありませんが、平均体温が1℃下がると免疫力は3割ほど下がってしまうといわれています。体を冷やさないよう、服装や食生活に気をつけたり、運動習慣をつけたりしましょう。

おわりに:腸内環境を整える食事と生活習慣こそが、正常な免疫力のカギ!

腸内環境を整え、食事をはじめとした生活習慣を改善することが非常に大切です。ご紹介した食べ物を普段の献立に取り入れ、感染症の発症リスクを抑えていきましょう。

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