記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
2017/3/21
記事監修医師
産業医科大学第1外科
佐藤 典宏 先生
子どもの骨は成長し続け、生まれてすぐから思春期の間は最も速く成長するといわれています。そして通常、18歳から25歳の間に骨は 「ピーク骨量」に達し骨密度が増え続けます。子どもの骨密度は、高ければ高いほど、後年、骨粗鬆症といった症状になるのを防ぐことができます。
この記事では、子どもの丈夫な骨をサポートするための食事法についてアドバイスを行います。
小児期に強い骨を作るには、さまざまなビタミンやミネラル、カルシウムなどの栄養摂取が必要です。
健康でバランスの取れた食事として、例えば以下のようなものがあげられます。
・果物と野菜 ― 少なくとも1日に5種類食べる(ただし、フルーツジュースは150ミリリットルのグラス1杯まで)
・炭水化物 ― ジャガイモ、パスタ、米およびパン(できれば全粒のもの)
・タンパク質 ― 肉、魚、卵、豆、ナッツ、種子など
・乳製品 ― 牛乳、チーズ、ヨーグルトなど
成人の体は約1kgのカルシウムを含んでいます。この約99%は、骨や歯にあります。さらに、このカルシウムの大半は、小児期と10代の間に貯蔵されます。
カルシウムは他のどの時期よりも早く骨が成長する思春期(一般的に女の子:11~15歳、男の子:12~16歳)に特に欠かせない栄養素です。
なお、1歳から3歳までの子どもに必要なカルシウム摂取量は、1日に約350ミリグラム、11歳から18歳までの子どもおよび若年者では800から1,000ミリグラム、成人では700ミリグラムといわれています。
カルシウムの主な役割は以下のとおりです。
・丈夫な骨や歯をつくります
・心拍などの筋肉の収縮を規則正しく行います
・出血したときに自然に血が固まるのを助けます
なおカルシウム不足は、子どものくる病や、将来骨粗しょう症になる原因にもなります。
カルシウムを多く含む食品として以下のものがあげられます。
・ミルク、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品
・缶詰のイワシ(骨付きのもの)
・緑黄色野菜(ホウレンソウを除く)
・エンドウ豆、乾燥イチジク、ナッツ、種子(大豆ミルクを含みます。)
乳製品のカルシウムは体内に吸収しやすいので特に良いとされています。
上記の食物から十分なカルシウムを得られない場合は、カルシウムサプリメントで補完することも良いでしょう。
子どもの骨を強くするために、カルシウムの摂取は大きなサポート材料となります。
子どもが丈夫な骨をつくり続けられるために、カルシウムやビタミンDなど他の栄養素をうまく食事に取り入れながら、周囲として子どもの骨の健康をサポートとしてあげられることが理想ですね。