インフルエンザの治療薬を徹底比較!市販薬を飲んでも大丈夫なの?

2018/5/7 記事改定日: 2018/10/30
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

インフルエンザの治療薬にはさまざまな種類がありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?服薬方法や回数、それぞれのメリット・デメリットなどについて詳しくご紹介していきます。

インフルエンザ治療薬、抗インフルエンザ薬とは

インフルエンザに感染したことがわかったら、インフルエンザウイルスが増殖するのを抑える薬(抗インフルエンザ薬)を使って治療をします。

インフルエンザウイルスに感染すると、体の中でウイルスが急速に増えていき、48〜72時間後には最大値になるとされています。ウイルスの数が少ないときほど抗インフルエンザ薬の効果は大きくなるので、早めに治療を始めることが肝心となるのです。

抗インフルエンザ薬は、内服薬や吸入薬、点滴や小児用のドライシロップなどの種類がありますが、どれも症状が出始めてから48時間以内に使い始める必要があります。48時間以内でないと効果がないわけではありませんが、臨床試験で効果が確認されていないため、このような時間設定となっています。

なお、症状が出始めて48時間たった後でも、発熱や頭痛などに対する治療は可能ですので、症状がつらい場合は医療機関を受診するようにしましょう。

治療薬の影響で異常行動は起こる?

抗インフルエンザ薬を使用すると、異常行動が起こるのではないかと心配している人もいるかもしれません。

しかし、この異常行動に関しては、抗インフルエンザ薬の服用に関わらず現れることがあると言われています。なので、何も薬を使用していなくても、インフルエンザに感染しただけで異常行動が起きる可能性はあるのです。

異常行動は特に小児や未成年者で起こりやすいと言われているため、自宅療養する際は注意が必要です。治療開始後少なくとも2日間は、自宅で1人にならないように配慮しましょう。できるだけ1階で寝かせるようにし、マンションなどの高層階に住んでいる場合は、窓や玄関などの鍵をかけるようにしてください。

抗インフルエンザ薬の種類

こうインフルエンザ薬にはいくつか種類がありますが、主に使用されているのは以下の3種類です。

  • タミフル®
  • リレンザ®
  • イナビル®

それぞれ、詳細を説明していきましょう。

内服薬 タミフル®

タミフル®は、インフルエンザA型とB型に効果があるとされている薬です。カプセルタイプと粉薬の2種類があり、生後2週目から服用が可能です。乳児の方が内服する量は多く、1歳以上の子供の1.5倍量を飲む必要があります。

9歳までの子供と成人は内服可能ですが、10歳以上〜19歳までの未成年者は異常行動が報告されているため、原則として使用しないようになっています。ただし、合併症のリスクや既往歴などを考慮して、内服した方が良いと判断される場合は除かれます。

妊娠中・授乳中でも内服可能ですが、腎臓病のある方には注意が必要です。

吸入薬 リレンザ®

リレンザ®は吸入して使用する抗インフルエンザ薬で、タミフルと同様にA型とB型の両方に効果があるとされています。自分でパウダー状の薬を吸い込まなくてはならないため、それができる5歳以上の子供から使用可能です。

成人のほか、タミフル®の処方が避けられている10代の患者にも処方されます。吸入することでウイルスが増殖する気道に直接届くので、内服薬より効果が早く、全身への影響も少ないことが特徴です。

妊娠中・授乳中の方でも内服可能ですが、喘息や乳製品のアレルギーがある方は注意が必要です。

吸入薬 イナビル®

イナビル®は、リレンザ®と同じインフルエンザA型とB型の両方に効果がある吸入薬です。リレンザ®よりも長時間作用するため、1回の吸入で治療が終了することが特徴です。

成人、タミフル®が使用できない10代の患者に使用されることが多く、妊娠・授乳中の方でも使えます。喘息や乳製品のアレルギーがある方は注意が必要です。

点滴液:ラピアクタ®の効果と注意点

喘息があって吸入薬が使用できない方や体力の落ちた高齢者の方、内服薬や吸入薬が使えない方の場合は、点滴薬であるラピアクタ®が使われることがあります。

ラピアクタ®は、15〜30分程度の点滴を1回行うだけで治療が終了します。インフルエンザA型、B型の両方に効果があり、子供でも使用することができます。妊娠中・授乳中の場合は、医師に相談するようにしましょう。

新薬 ゾフルーザ®錠について

インフルエンザの治療に使われる薬として、新しく開発されたゾフルーザ錠という薬が注目されています。

ゾフルーザ®錠は日本で開発された薬で、2018年2月に厚生労働省に承認されたばかりです。同じ抗インフルエンザ薬であるタミフル®は、1日2回、5日間内服を続けなければならないのに対し、ゾフルーザ®錠は1回の内服のみで効果があるとされています。

これまでの薬と比べて内服が簡単になるため、これまで薬の管理が難しかった方でも内服が容易になったり、利便性が向上したりすることが期待できます。しかし、まだ使用され始めたばかりであるため、効果や副作用についてはこれから経過を見ていく必要があるでしょう。

熱を下げるために市販薬を飲んでも大丈夫?

インフルエンザは高熱が出やすく、非常に苦しい症状が現れる感染症です。
このため、熱が高い時には解熱剤を使用して何とか症状を改善しようと考える人も多いでしょう。

しかし、インフルエンザにかかったときに自己判断で市販薬を服用するのは非常に危険なので控えるようにしてください。市販の解熱剤には、ロキソニンS®やバファリン、イブ®などのようにNSAIDs(非ステロイド系解熱鎮痛薬)と呼ばれるタイプのものがあります。NSAIDsはインフルエンザにかかった時に服用すると脳症を引き起こす可能性があることが分かっているのです。

このため、インフルエンザが疑われる時には病院を受診して、検査・診察を受けた上でインフルエンザ時にも安心して服用できる薬を処方してもらいようにしましょう。

おわりに:インフルエンザが疑われるときは、早めに医療機関を受診しよう

インフルエンザの治療を適切に行うためには、48時間以内に抗インフルエンザ薬の内服をする必要があります。使える薬の種類は人によって異なりますので、インフルエンザが疑われる症状が現れたときは、早めに医療機関を受診して診察を受けるようにしましょう。

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