知っておきたい、妊娠する時期とサイクル

2017/3/23

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

妊娠は、女性にとって人生の大きな出来事であり、大きな喜びにもなるものです。現在では出産年齢の高まりや不妊治療の進歩によって、女性の妊娠に対する意識も変わってきました。
子どもを持つ選択をしたのなら、ストレスの少ない妊娠生活を実現させたいものです。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

妊娠における1ヶ月のサイクル

妊娠を望んでいるか、または将来的に子どもが欲しいと思っている場合は、妊娠の基本的なサイクルを知ることが役にたつでしょう。
毎月女性の体内では、ホルモンの変化が起こり、卵巣から卵子が一つ排出されます。
この卵子は、卵巣と子宮をつなぐ卵管を通って移動します。同じときに、子宮の内側が厚くなります。これは受精卵を迎えるための準備です。受精が起きなければ、子宮の内側にできた表層がはがれ、膣から流れ出ます。これが月経です。月経では、子宮内粘膜の表層と血が混ざったものが体外に排出されます。
妊娠可能年齢の女性は、約28日に一回月経がきます。24日~35日の場合も一般的です。
排卵日近くに女性が男性と避妊しないでセックスをすると、卵子が卵管にいる間に精子と出会い、受精します。卵子が卵巣から排出されてから12~24時間のあいだに受精することができます。精子は、卵管の中で1週間ほど生き延びることができるため、排卵が起きる前に精子が卵管に入ってきても、受精する可能性はあります。受精卵はその後、子宮まで移動し、内膜に着床し、成長します。
受胎では、たった1つの精子が卵子に侵入します。精子には男性の遺伝子が、卵子には女性の遺伝子が入っています。一度受精すると、ほかの精子は卵子に侵入することができません。多くの女性にとって、月経が来ないということが、最初に妊娠に気付くきっかけとなります。月経の予定日から数日が過ぎると、尿検査によって妊娠しているかどうかわかります。妊娠のための尿検査は、一般医や産婦人科で行うことができます。また、薬局などで検査キットを買えば自宅で行うことができます。

妊娠した兆候があったら

受精卵は、子宮の内膜に着床し(排卵から6~10日後)、成長を始めます。受胎から8週間までのあいだ、受精卵は胚と呼ばれます。その後、胎児と呼ばれるようになります。
妊娠した女性に共通した特徴的なことがいくつかあります。それは様々なものに対して過敏に反応することです。
本人の精神状態とは無関係に、パン屋の前を通り過ぎただけで吐き気を催し、嘔吐してしまうこともあります。あるいは、夫のシェービングローションが急に悪臭を放つものに感じることもあります。食の好みが急に変わって、いままでの好物が急に食べられなくなったり、ひとつのものばかり集中して大量に食べたりします。これらは大抵、母体が自らを護ろうとする機能が働いているからだといわれています。
望んだ計画的な妊娠であっても、出産や初めての育児や新生活に対する不安は、喜びを上回る場合があります。
周りの人間…特にパートナーの深い理解とサポートが求められます。将来生まれるであろう赤ちゃんや、また妊娠のプロセス自体にしっかりと対応できるよう、必要とされるだけの時間をしっかり取ることが大切でしょう。

妊娠を望む人の食生活

健康的な赤ちゃんを産むための栄養基盤を作ることは、妊娠のための体の準備をすることいえます。妊娠を計画しているなら、健康的な食生活を始める時期は、プレ妊娠期間ともいえます。妊娠食といわれるバランスのとれたものを食べ始めましょう。妊娠食は、各病院や保健所や書籍などからメニューやレシピが入手できます。
・葉酸をとる
研究によると、この必要不可欠なビタミンを十分取るのが早ければ早いほど、赤ちゃんが二分脊椎を患う可能性は下がります。葉酸は、緑色の葉野菜や全粒系の穀物に多量に含まれます。また、精製された穀物製品のほとんどにもこの成分が加えられています。もっと確実に葉酸をとりたければ、妊婦用サプリメントもあります。
・ジャンク・フードと別れる
精製糖や白色粉の摂取量を控えなければなりません。これらはクッキー、ドーナツ、デニッシュ、ケーキ、キャンディ、コーヒー、その他の甘い飲料や菓子に含まれます。飽和脂肪の摂取を止めましょう。フライドポテトの代わりにサラダ、フライドチキンの代わりに鶏もも肉焼を!このような脂肪は摂取量は少なければ少ないほど良いのです。
・低脂肪酪農製品
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品で低脂肪のものを食べましょう。
・食事は3食きちんと食べる
食事を抜くことは止めましょう。朝食や昼食より、仕事を優先していませんか。今のうちから1日3食取る習慣を身につけておくと良いでしょう。

おわりに:準備の効用

妊娠が体に与える目まぐるしい変化は想像を超えたものですが、妊娠するまでの間に、栄養面でも健康面でも前もって準備することで、気持ちを落ち着かせることができます。
どうかストレスを抱えこまない妊娠生活を!

関連記事

この記事に含まれるキーワード

妊娠(190) 準備(8) 時期(12) 妊娠食(2) 受胎(1)