ダイエット中こそお肉を食べるべき理由とは?

2018/5/1 記事改定日: 2019/5/27
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

ダイエット中は太るのを恐れ、お肉を控えているという人もいるかもしれませんが、健康的に痩せるためにはある程度お肉を摂取することをおすすめします。
この記事では、ダイエット中のお肉の食べ方のポイントについて説明していきますので参考にしてください。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

ダイエット中もお肉を食べて大丈夫?

ダイエットをしている方の中には、カロリーが気になるからと肉類を避けている方もいるかもしれません。
でも、お肉には体の健康を保つために必要な栄養素が多く含まれていますし、食事量を減らしているときに不足しやすい栄養素が多く含まれています。
お肉はむしろ、ダイエットをしてるときこそ食べてほしい食材なんです。

お肉に含まれている栄養素で代表的なものはタンパク質です。
タンパク質は筋肉や皮膚、髪の毛など体の組織を作る材料になりますし、各種ホルモンの原料にもなります。

さらに、人の体では生成できない脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)も含まれているので、お肉をまったく食べなくなると

  • 筋肉量が減って基礎代謝が落ちる
  • ホルモンバランスが乱れる
  • 体調を崩しやすくなる
  • お肌や髪の毛のツヤがなくなる

など、健康トラブル・美容トラブルが起こりやすくなるのです。

お肉は確かにカロリーは高く、部位によっては脂肪分も多くなってしまうので、食べ過ぎは良くないです。でも、必要な栄養素がたくさん含まれていますので、適度な量はしっかりと摂取するようにしましょう。

ダイエット中におすすめのお肉は?

肉の種類や部位によって含まれている栄養素やカロリーは異なります。
たとえば、牛肉にはダイエット中に不足しがちな亜鉛や鉄といった栄養素が含まれています。
また、豚肉には糖質を代謝するために必要なビタミンBが、鶏肉には睡眠の質に関わるナイアシンや、PMS(月経前症候群)の症状軽減に関わるビタミンB6が含まれています。

ダイエット中に食べるのであれば、脂肪分が少ない部位や、低カロリーな部位を選んだ方がいいですし、貧血気味の人や肌トラブルが多い人、基礎代謝が低い人であれば、少し脂肪分が多くても、栄養価が高いお肉を摂ったほうがいいこともあります。
以下を参考に自分にあったお肉を選んでくださいね。

牛肉

牛肉は、豚肉や鶏肉と比べて全体的に高脂肪・高カロリーな食材です。食べるのであれば、できるだけ脂肪分の少ない、赤身などの部位を選ぶようにすると良いでしょう。

ヒレ肉
脂肪分少なめで、鉄分が多いので貧血の人におすすめです。
もも肉
皮下脂肪の部分を除けば、比較的カロリー低めです。肉類の中では亜鉛が豊富に含まれています。
肩肉
皮下脂肪の部分を除けば、カロリーダウンできます。ビタミンB群と亜鉛のバランスが良好です。

豚肉

豚肉は牛肉と比べると、カロリーはやや低めです。脂肪の多い部分を除けばよりカロリーは低くなり、ダイエット中におすすめの食材です。

ヒレ肉
鶏のささみに次いで低脂肪なことで知られる食材です。肉類の中では、ビタミンB1の含有量トップ(内臓除く)。そのほかのビタミンB群、鉄分も豊富に含んでいます。
もも肉
皮下脂肪の部分を除けば、カロリーは低くなります。ナイアシン、ビタミンB2が豊富です。
肩肉
皮下脂肪の部分を除けば、カロリーダウンできます。タンパク質や脂質、鉄分、ビタミンB群などの栄養素のバランスが良いといわれています。

鶏肉

鶏肉は牛肉・豚肉と比べて低脂肪・低カロリーな食材です。皮の部分を除けば、よりヘルシーに食べることができます。皮の有無で、100gあたりのカロリーが100kcalほど違ってきます。

ささみ
高タンパク・低カロリーな食材です。ビタミンB6、ナイアシンの含有量は肉類の中ではトップ(内臓除く)といわれています。
胸肉
皮を除けば、ささみと栄養バランスが近くなるります。
もも肉
皮を除けば、カロリーダウンが可能です。

お肉を調理するときのポイントは?

ダイエット中にお肉を食べるなら、食材選びだけでなく、調理中にカロリーを落とすこともポイントになります。

たとえば鶏肉の場合、焼き鳥にすると焼いている間に脂分が落ちるますし、水炊きなどで煮込み、スープを残して肉だけ食べることでもカロリーを抑えることができます。

揚げ物は、焼き鳥や水炊きなどと比べてカロリーカットは難しいですが、揚げている間に肉そのものの脂分が染み出してくるので、一般的なイメージほど大きなカロリーオーバーにはなりません。
揚げた後にさらに味付けをするとカロリーがプラスされてしまいますが、衣がない素揚げであれば、過剰に避ける必要はないでしょう。

鶏むね肉や牛・豚のヒレ肉などは、ヘルシーですがきちんと処理をしないと硬くなりやすいです。

切り方
細く切ったりスライスする
下処理
酒や牛乳につける、片栗粉をまぶす
酵素を含んだ食材を使う
パイナップルやキウイフルーツ、玉ねぎなどのタンパク質分解酵素を含んだ食材を使って調理する

上記のような工夫で、硬いお肉も食べやすくなります。ぜひ試してみてください。

ダイエット中におすすめのお肉レシピ

肉類はカロリーが高いものの健康維持のために必要な栄養素を多く含んでおり、なるべくカロリーをオフした調理法で摂ることが大切です。
ここではダイエット中におススメのお肉料理レシピを3つご紹介します。

ローストビーフ

余分な油を一切使わず、オーブンで焼くことでうまみを閉じ込めるローストビーフはダイエット中のよい味方です。

牛もも肉は500~600gほどの塊を用意し、塩コショウ、おろしにんにく、おろししょうがなどを全体に揉みこんで常温で2~3時間置きます。十分に味がしみ込んだら、フライパンで軽めに両面を乾煎りし、200℃で熱したオーブンで20~30分ほど焼けば完成です。

冷しゃぶサラダ

暑い時期にさっぱりした食事が摂りたいときにおススメのレシピです。脂肪分が多い豚肉は一度さっとゆでることで余分な油を落としましょう。

薄切りの豚肉はだし汁でさっとゆでて氷水に上げ、十分に冷まします。粗熱が取れたら、レタス、きゅうり、トマトなどお好みの野菜をカットしてお皿に並べ、その上に豚肉を載せて胡麻だれを回し入れれば完成です。

鳥ハム

カロリーが低く良質なたんぱく質を多く含む鶏むね肉はぱさぱさしがちですが、鳥ハムにすることでしっとし変身し、満足のいく主食メニューにすることができます。

鶏むね肉は皮を取り、たっぷりの砂糖と塩を揉みこんで密封し、冷蔵庫で2~3日休ませます。十分に休ませたら、表面についた砂糖や塩を洗い流し、冷水に30分ほど漬けます。その後、お湯を沸騰させたお鍋の火を止め、その中に下ごしらえした鶏むね肉を投入し蓋をした状態で半日放置すれば完成です。

おわりに:ダイエット中でも、お肉はきちんと食べよう

お肉には、健康を保つために必要な栄養素やダイエット中に不足しやすい栄養素が豊富に含まれています。
ある意味、「ダイエットに必須の食材」と言ってもいいでしょう。部位や調理方法を工夫すれば、お肉もヘルシーに食べることができますので、ダイエット期間中もしっかりと食べるようにしましょう。
ただし、食べ過ぎには注意してくださいね。

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