その夏風邪インフルエンザかも!? 夏の熱や咳、くしゃみには注意!

2018/4/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

「インフルエンザは冬に流行するもの」というイメージが強いですが、実は春や夏など暖かい季節になってからも、発症する可能性はあります。夏風邪と混同しないよう、インフルエンザや夏に流行る感染症の特徴を把握しておきましょう。

通常のインフルエンザの流行シーズンとは?

インフルエンザウイルスには大きく分けてA型・B型・C型の3つの型があり、この型によって、症状や流行時期が異なります。

日本の場合、12月ごろからA型インフルエンザの流行が始まり、その後3月ごろまでにかけてB型・C型のインフルエンザも流行する傾向があります。ただ、その後5月ごろまでは、地域によって散発的に流行を続けることもあるようです。気温が低く、乾燥してウイルスが活発化する冬に流行するイメージのあるインフルエンザですが、3月など春以降に感染・発症する人も珍しくないのです。

春や夏に流行るのはなぜ?

前述したように、インフルエンザウイルスの型やその年の流行傾向によっては、インフルエンザが春から夏にかけて流行するケースもあります。また、2009年の夏に新型インフルエンザが大流行した例や、熱帯地域である東南アジアや台湾では、年間を通してインフルエンザ患者の発生が報告されています。

このように、インフルエンザが気温や季節を問わず発生する理由は詳しくわかっていませんが、実際に夏に流行していても不思議ではない感染症なのです。

また、近年では夏でもエアコンで低温・乾燥したインフルエンザウイルスが好む環境が整っていることも、夏にインフルエンザが流行する一因ではないかと考えられています。

夏風邪と思って放置すると、重症化するおそれが

ただの夏風邪とは違い、インフルエンザは放置して重症化すると、インフルエンザ脳炎・脳症や、二次性細菌性肺炎など合併症を発症する可能性があります。

インフルエンザと夏風邪は、インフルエンザ特有の以下のような症状が強く出ているかどうかで、ある程度見分けることができます。

インフルエンザ発症時に出る、特徴的な症状

  • 突然、激しい悪寒、倦怠感、頭痛、関節・筋肉の痛みなどの全身症状が強く出る
  • 全身症状とあわせて、急激に体温が38℃以上まで上昇する

特に、くしゃみや咳などの呼吸器系の症状よりも、身体の辛さやだるさ、痛みなどの全身症状を強く訴えている場合は、インフルエンザの疑いが強いです。症状から「ひどい夏風邪かな」と思っても、症状が重篤だったり、3日以上続くようであれば、必ず病院に行って診断を受けてください。

風邪やインフルエンザとは別の病気の可能性も!

夏の発熱で疑われる病気は、風邪やインフルエンザだけではありません。夏にかかりやすく、発熱の症状を伴う病気には、以下のようなものが挙げられます。

熱中症

体温調節がうまくできなくなり、頭痛、発熱、嘔吐、意識障害などを突然発症します。

咽頭結膜炎

アデノウイルスの咽頭への感染によって発症するものです。2〜14日程度の潜伏期間を経て、激しいのどの痛み(咽頭炎)や目の充血(結膜炎)、高熱が1週間近く続きます。

ヘルパンギーナ

乳幼児がかかりやすい夏風邪の一種です。のどに小さな口内炎が複数でき、強いのどの痛みとともに40℃前後の高熱が3日ほど続くのが特徴で、ウイルス感染によって発症します。

手足口病

夏風邪の一種ですが、手足と口の中にかなりの痛みを伴う水疱(口内炎)ができるのが特徴です。初期のみ、熱が出ることもあります。

上記のいずれも特に子供がかかりやすく、風邪やインフルエンザの症状とも似ているので、医師ではない人がどの病気かを判断するのは、非常に困難と言えます。夏に発熱、のどの痛み、身体の痛みなど風邪やインフルエンザを疑う症状が出たら、他の病気の可能性も考慮し、できるだけ早く病院で診断と適切な治療を受ける必要があります。

夏の感染を防ぐ方法とは?

最後に、夏のインフルエンザ感染を予防するポイントをご説明します。

予防の基本、手洗いとうがいをきちんと行う

手洗いとうがいは、すべての感染症予防に最も効果的で、簡単な予防方法です。まずは手洗いとうがいを頻回に行うだけでも、かなり違ってきます。

夏バテに注意し、感染しにくい身体づくりを

冷たい飲み物・食べ物の過剰摂取や、エアコンのせいで身体が冷えると、胃腸の不調や全身の倦怠感、食欲不振など夏バテの状態に陥り、ウイルスに感染しやすくなります。

こまめな水分補給とバランスの良い栄養摂取、十分な休養をとって、インフルエンザや風邪のウイルスに負けない身体づくりを意識しましょう。

人混み&乾燥には要注意

人との接触機会が増えると、いろいろなウイルスと接する機会も多くなります。また、のどが乾燥していると免疫力も低下しやすくなるので、人混みに行くときはマスクを着用して、感染予防とのどの保湿を徹底しましょう。

おわりに:夏の風邪症状には、インフルエンザなど他の病気が隠れている可能性がある

冬のみ流行するイメージのあるインフルエンザですが、夏に感染・発症する例も国内外で多く報告されています。夏風邪だと思っていた症状が、実はインフルエンザや、他の疾患・感染症である可能性は十分にあります。インフルエンザであった場合、放置することで重症化して合併症を起こすこともあるので、ただの夏風邪と侮らず、必ず病院に行って医師による診断・治療を受けるようにしてくださいね。

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