食べることがコントロールできない・・・過食症とは?

2017/3/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

食べ物をつめこみ、満腹でもう入らないのに、なおも食べようとする・・・。
そんな食欲の“制御不能”に陥るのが、過食症です。

そして、「どうしてこんなに食べてしまったのか」と我に返り、激しく自分を責め、抑うつ状態になり、太りたくない一心から口に指を入れて嘔吐し、食べたぶんをゼロにしようとします。

嘔吐に体が慣れると次第に楽に吐けるようになって習慣化し、「吐けば大丈夫」という安心感から、さらに過食がエスカレートしていきます。

過食症は「心の病」ともいえます。放置せず、きちんとした対処法を理解しましょう。

過食症について

過食症とは、自分の意志で食べることを止めることができず、過食を繰り返す心の病気です。空腹でないとしても大量に食べ、そして、激しい後悔の念に襲われ、嘔吐や下剤で“リセット”しようとします。

過食症のサイン

過食症のサインには、以下のようなものが挙げられます。
・過食中は普段よりも食べるペースが速い。
・満腹になっても食べ続ける。
・気分が悪くなるまで食べる。
・空腹でないにもかかわらず大量に食べる。
・食べる量が多すぎて恥ずかしいため、一人で食事をするか、隠れて食事をする。
・過食したあとに、罪悪感、恥ずかしさ、嫌悪感を覚える。
このような食習慣を繰り返す場合、過食症の疑いがあります。

過食症の人の精神状態は?

過食症の人は、食べ物が常にないと不安になるため、食べ物を大量に買い込んでおかないと落ち着きません。

とくに深夜の過食を「放心状態」と呼び、無心で食べ続けるため、何を食べたか思い出せないことがあります。たいていの人が、過食している時は制御が効かないと言っています。

サポートを受ける

まれに過食をしてしまう場合は、必ずしも過食症であるとはいえません。しかし、過食を連日のように繰り返し、精神面や身体的に悪影響があると感じている場合は、医師に相談してください。適切な治療とサポートを受ければ、ほとんどの人は過食症から回復します。

過食症の治療

過食症の治療は以下の方法が挙げられます。
・自助努力プログラム
オンラインやサポートグループに参加して行います。
・自助努力ガイド
専門家と定期的に連絡を取りながら行います。
・専門チームによる治療
・カウンセラーによる心理療法
・SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の服薬

過食症の原因

過食症の原因は、はっきりとはわかっていませんが、ほかの摂食障害同様、うつ、落ち込み、自己憐憫や卑下の感情を埋め合わせるために過食に走ると考えられています。

また、過食症のリスクを高める原因には、以下のようなものがあります。
・低い自己評価
・自信の喪失 ・気持ちの落ち込み
・過度な心配、不安
・ストレス、怒り、退屈、孤独などの感情
・過度の痩身願望
・痩せなければならないというプレッシャー
・過去のトラウマ
・家族に摂食障害を経験した人がいる

どのような人が発症するか

過食障害になる可能性は老若男女問わずありますが、女性のほうが男性よりも発症しやすい傾向があります。特に、思春期に起こることが多く、30~40代になるまでサポートを受けないでいるケースも多くあります。過食症になる確率は、30~50人に1人といわれています。

おわりに ~過食障害の健康リスク~

過食症は、うつ病や不安神経症などの深刻な精神疾患を引き起こす危険性があり、既にメンタル面に問題がある場合、症状が悪化することもあります。

過食症の人は、体重増加で肥満になると思われがちですが、嘔吐や下剤で食べたものを出してしまうため、平均よりやせ型です。そのため、見た目からは判断することが難しいと言えます。

過食症はそのままにしておくと、拒食症に至り、過食症と拒食症のループを繰り返すため、きちんと対処するようにしましょう。

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