記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/9 記事改定日: 2019/9/4
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
お風呂に入ると汗をかいたり体重が減っていたりするためダイエットに効果的、と言われることがあります。でも、本当にそうなのでしょうか。この記事では、入浴とダイエットの関係や、ダイエットをするために必要なことを解説します。
入浴後に体重を量ると、入浴前よりも体重が減っていることはありますが、これは汗をかいて水分が減ったためであり、入浴だけで痩せることはありません。
脂肪は、運動などのエネルギーを必要とするときに分解されます。エネルギーが不足すると、ノルアドレナリンやアドレナリンといったホルモンが分泌され、脂肪分解酵素「リパーゼ」の働きが活性化されます。脂肪細胞と呼ばれる細胞に貯蔵された脂肪は、このリパーゼによって脂肪酸とグリセロールという物質に分解されますが、お風呂に入るぐらいでは、脂肪の分解が必要になるほどのエネルギーは消費されません。
ただ、消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態を維持することがダイエットである、という点を踏まえると、ある程度のカロリー消費を期待できる入浴をダイエットに役立てることは可能です。たとえば、入浴で体を温めて基礎代謝を上げることは、カロリー消費を促すことにもつながります。
体が冷えて基礎代謝が下がっている人は、運動をしたり食生活を変えたりしても痩せにくいので、お風呂で体を温めて基礎代謝を上げることがダイエットを促す可能性があります。たとえば、低めの温度での長時間の半身浴や、熱めのお湯への入浴を何度か繰り返す高温半身浴、温水と冷水を交互に浴びる温冷半身浴など、体を温めたり血行を良くしたりすることはダイエットをサポートすると言われています。
ただし、入浴で見込めるのは基礎代謝を上げることまでです。もう少しダイエット効果を手にしたいと思うなら、入浴中にお腹や足を鍛えるエクササイズを取り入れるのがおすすめです。特に、お風呂に入っていると体に水圧がかかるので、少ない力でも負荷がかかり、筋肉を鍛えやすいと言われています。
お風呂の中エクササイズを行う場合は、のぼせないように注意してください。
ダイエットに取り組むときは、規則正しい食生活を心がけることと、適度な運動を続けることが大切です。
ダイエットでは有酸素運動が注目されがちですが、基礎代謝を高めて消費カロリーを増やすためには無酸素運動で筋力を増やすことが大切です。無酸素運動を行ったのち、ランニングやウォーキングといった20~30分程度の有酸素運動をすることは、ダイエットに効果的と言われています。
1日に必要なカロリーを考慮して過食を避けます。脂肪分の多過ぎる食品や脂質の多過ぎる食品も控えめにし、時間や食べる順番に気をつけながら1日3食を規則正しく摂るようにしましょう。ただし、炭水化物を断つなど、過剰に特定の食品を排除することは健康を損なうことにつながるため、注意が必要です。
食生活に気を付けつつ、入浴中にエクササイズを取り入れたり、普段から運動を取り入れたりすることで、ダイエットを成功させましょう。