手足口病で爪がはがれることがあるって本当?

2018/5/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

あまり知られていませんが、手足口病の影響で爪がはがれることがあります。今回の記事では、爪がどんなふうにはがれていくのか、またいつからその症状が見られるのかについて解説します。

手足口病で爪がはがれる原因は?

手足口病にて爪がはがれるのは、コクサッキーA6型ウイルスが原因と考えられています。

手足口病の原因となるウイルスはいくつかあり、主なものはコクサッキ―ウイルスA16型、A10型、A6型、あるいはエンテロウイルス71型があります。その年によってどのウイルスが蔓延するかは異なる傾向にあります。しかし、コクサッキーウイルスA6型が蔓延した年には、爪が浮き上がって剥がれ落ちる「爪甲脱落症」が多い傾向にあり、このことから手足口病で爪がはがれる原因はコクサッキーA6型ウイルスであると考えられているのです。

爪はいつからはがれ始めるの?前兆は?

手足口病が治ってから数週間~1か月後に症状が出現します。人によっては2~3か月後に症状が出るという人もいるようです。そのため、爪がはがれたことと手足口病が関係していると思っていない人が多く、医療機関を受診して医師から指摘されて初めて気づくという人もいます。

また、爪がはがれる前兆としては「爪が徐々に浮いてきた」「爪が変形した」「爪が変色した」というケースが多いです。

爪はどんなふうにはがれるの?痛みはある?

手足口病による爪の剥がれ、いわゆる爪甲脱落症は爪全体がベロッと剥がれるわけではなく、先端から徐々に変形あるいは変色して剥がれ落ちることが多いです。根元からはがれることもなく、多くは爪の先端あるいは爪が変形した部位から徐々に剥がれていく傾向にあります。

また、爪がはがれたことによって病院を受診している手足口病患者たちの多くは痛みを主訴としておらず、爪の剥がれを主訴として来院しており、爪がはがれることによる痛みはほとんどないものとされています。

爪のはがれは手足口病でなくても起こる

爪がはがれるのは手足口病だけではありません。爪の剥がれる病気には「爪甲剥離症」「爪甲脱落症」があります。

爪甲剥離症は、原因が不明とされているものの、手足口病の原因菌であるコクサッキーA6ウイルス以外に、カンジダ菌も原因の一種と考えられています。また、日光が原因と指摘する声もあります。他には尋常性乾癬という病気の場合にも爪甲剥離症が見られることがあります。一方、爪甲脱落症は主に手足口病によって起こります。

手足口病による爪のはがれ、対処法は?

手足口病によって爪がはがれてしまった場合にはどうしたらよいのでしょうか。

爪はそもそも指先端の皮膚を保護する役割になっています。そのため爪の下の皮膚は当然ながら他の部分の皮膚よりも薄くなっています。爪がはがれたら絆創膏や指サックなどを用いて爪の下の皮膚を保護するようにしましょう。

痛みや出血は見られないものの、強い痛みや赤みが見られたら病院を受診することをお勧めします。また、手足口病によって爪がはがれた場合、爪に菌が付着している場合もあるため、病院へ行って検査を受けることをおすすめします。剥がれた爪はそのまま放置せずにきれいに片しておくことも感染予防としては必要になるでしょう。

おわりに:爪がはがれたら手足口病にかかったことがないか思い出そう

手足口病に罹患してから爪がはがれるまで時間がかかることから、爪がはがれたことと手足口病を関連付けて考えられる人は少ないです。しかし、爪が変形してきた、爪が変色してきた、そして爪がはがれたという場合には手足口病によるものの可能性が極めて高く、手足口病にかかった情報があると診断や治療がスムーズに進むことがあるので、必ず医師に伝えましょう。

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