記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/2 記事改定日: 2019/9/26
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
あまり知られていませんが、手足口病の影響で爪がはがれることがあります。
今回の記事では、手足口病で爪がはがれるときの特徴について解説していきます。
手足口病にて爪がはがれるのは、コクサッキーA6型ウイルスが主な原因と考えられています。
手足口病の原因となるウイルスはいくつかあり、主なものはコクサッキ―ウイルスA16型、A10型、A6型、あるいはエンテロウイルス71型があります。
その年にどのウイルスが蔓延するかはわかりませんが、コクサッキーウイルスA6型が蔓延した年には、爪が浮き上がって剥がれ落ちる「爪甲脱落症」が多い傾向があります。
このことから手足口病で爪がはがれる原因はコクサッキーA6型ウイルスにあるのではないかと考えられています。
爪がはがれるのは、手足口病が治ってから数週間~1か月後のことが多く、人によっては2~3か月後にはがれることもあるそうです。
そのため、爪がはがれたことが手足口病と関係していると思わず、病院を受診したときに医師から指摘されて初めて気づくという人もいます。
爪がはがれる前兆として「爪が徐々に浮いてきた」「爪が変形した」「爪が変色した」というような変化が出ることがあります。
手足口病による爪のはがれ、いわゆる爪甲脱落症は、一般的には爪全体がベロッとはがれるわけではなく、先端から徐々に変形あるいは変色して剥がれ落ちます。
根元からはがれることはなく、爪の先端や変形した部位から徐々にはがれていくことが多いです。
爪がはがれるときやはがれたあとの痛みはなく、実際に病院を受診したときもほとんどの人は痛みを訴えないといわれています。
爪はそもそも指先端の皮膚を保護する役割になっていて、爪の下の皮膚は当然ながら他の部分の皮膚よりも薄くなっています。
手足口病で爪がはがれたら、絆創膏や指サックなどを用いて爪の下の皮膚を保護するようにしましょう。
手足口病で爪がはがれても、基本的には痛みや出血はありませんが、もし強い痛みや赤みが見られたときは必ず病院を受診してください。これは爪に細菌などが付着して炎症を起こしている可能性があります。
手足口病によって爪が剥がれた場合、新たな爪が生えて完全に元の状態に戻るまでには半年~1年ほどかかります。また、足の爪が剥がれた場合、足の爪が成長するスピードは遅いため元に戻るには1~2年かかるとされています。
新しく生えた爪の周囲に感染を生じてしまうと、再び爪が剥がれてしまうこともありますので新しい爪が生えてくる間はできるだけ爪に衝撃を与えず、清潔な状態を保つようにしましょう。
手足口病で爪がはがれても、手足口病が治ってから期間が空いてからはがれるので手足口病を関連付けて考える人は少ないかもしれません。
手足口病にかかったあとに爪がはがれたという場合には、手足口病によるものの可能性があるので、病院を受診したときは「手足口病にかかった」ことを医師に伝えましょう。