記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/1 記事改定日: 2019/2/13
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
乳幼児や小さな子供は特に発症率の高い手足口病ですが、初期症状にはどんなものがあるのでしょうか?また、疑わしい症状が出たらどうすればいいのでしょうか?
適切な対処法も解説します。
手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどのウイルス感染によって引き起こされる感染症の一種です。発病すると、名前の通り手・足・口への発疹の他、背中への発疹や発熱などの症状がでます。
5〜7月に流行すること、感染・発症する人のうち約80%が5歳未満の乳幼児であることから、特に子供や赤ちゃんがかかりやすい夏季の感染症として知られています。
感染・発症させるウイルスが一種類でないため、一度感染して耐性ができても再度他のウイルスで感染・発症するケースもあります。また、過去に感染経験がない、感染したことのないウイルスに感染した場合には、大人でも手足口病を感染・発症するリスクもあります。
手足口病は、ウイルス感染から3〜5日程度の潜伏期間を経て発病し、以下のような初期症状を引き起こします。
上記のうち、症状の出る順番や程度には個人差があり、2〜3日熱が続いた後に発疹が出ることもあれば、熱は出ずに発疹や口内炎などの症状のみ出る場合もあります。
いずれにしても、上に挙げたような症状が同時、または時間差で複数見られた場合には、手足口病の初期症状を疑った方が良いでしょう。
また、子供に比べると、大人の方が皮膚への初期症状が重症化しやすい傾向があります。ウイルスの種類によっても初期症状の出方や重さは変わってきますので、重い風邪のような症状だけであっても、注意深く経過観察する必要があると覚えておいてください。
手足口病の初期症状がみられたときは、まずは速やかに内科または小児科などの病院に行って、医師の診断を受けてください。
手足口病は根本治療の方法がないため、発疹による痛みやかゆみ、発熱を抑えるための対症療法をメインに、医師の指示のもと自宅で療養しながら治療をすすめていきます。具体的には、痛みと発熱を抑える解熱鎮痛薬や、発疹に塗るかゆみ止め(抗ヒスタミン薬)を処方してもらったり、患部を冷やすなどして対処します。
また、手足口病は自然治癒も見込める疾患であるため、症状が軽く薬を使う必要がなければ、経過観察と自宅療養だけで回復を待つケースもあります。なお、発疹とあわせて発熱が3日以上続いていたり、嘔吐などの症状がある場合は別の病気の可能性もありますので、医師に相談してくださいね。
手足口病はエンテロウイルスに感染することによって発症します。エンテロウイルスは感染者の唾液や便、皮疹からの分泌液に含まれており、それらが接触感染や経口感染を引き起こすことで感染が拡がります。
接触感染や経口感染は以下のような対策をしっかり行うことで予防することができますので、手足口病に感染したからといって隔離する必要はありません。
手足口病の代表的な初期症状には、手・足・背中などへの赤い発疹、口内の水疱状の発疹・口内炎・潰瘍、発熱がありますが、人によって症状の出方はさまざまです。疑わしい症状が出た場合には、手足口病かどうかの判断をしてもらうためにも、まずは病院に行って医師の診断を受けてください。
症状の重さにあわせて、薬や自宅での対症療法を行うのが回復の近道になります。