記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/23 記事改定日: 2020/5/15
記事改定回数:3回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
忙しいときや自炊が難しいとき、お弁当やハンバーガーなどテイクアウトサービスを利用すると手軽に食事ができて便利です。しかしテイクアウトの中には健康的とは思えないメニューもあり、健康的な食生活のためにどんなことに気をつければよいのでしょうか。この記事では、料理のジャンル別に選び方のポイントをご紹介します。
テイクアウトの食事は、冷めてもおいしくなるよう脂質や塩分が多めに含まれているメニューが多くなります。その分、カロリーも高めなる傾向があるため注意が必要です。テイクアウトの食事を購入するときには、単に見た目や彩りなどで選ぶのではなく、食品表示を確認するようにしましょう。
そして、使用されている食材や塩分、カロリーなどを確認し、できるだけヘルシーで適正カロリーに治まるようなものを選ぶことが大切です。
脂質・塩分・カロリーの過剰摂取には、以下のリスクがあります。
脂質の摂りすぎは肥満につながるだけでなく、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病を引き起こす可能性があります。
とくに脂質の摂りすぎによる生活習慣病は、血管の内側の壁を傷つけて血管を硬くしたり、血管の内側に脂質の塊が付着して狭窄を引き起こし「動脈硬化」のリスクを高め、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる病気を引き起こすリスクが高くなることが分かっています。
塩分の摂りすぎは、高血圧を招きます。というのも、体内の塩分が過剰になると、本来なら尿として排泄されるはずの余分な水分が体内に留まりやすくなり、体液量が増えるからです。
また、心臓にも負担がかかるため、塩分過多が長期間にわたると心不全などの病気を引き起こすリスクが高くなります。
カロリーの摂りすぎは肥満を招きます。肥満はさまざまな生活習慣病の原因になり、心筋梗塞や脳卒中などの病気を引き起こしやすくなります。また、乳がんなど特定のがんは肥満がリスクになることも少なくありません。
その他、体重の負荷による関節や腰の痛みなどを引き起こすこともあります。
和食は「ヘルシー」を思われがちですが、塩分が多いメニューも少なくありません。塩分の摂りすぎはカロリーの摂りすぎと同じくらい避けたいものです。塩分量をチェックするようにしましょう。
また、和食を選ぶ際にはできるだけ野菜を多く取り入れたものを選ぶのがおすすめです。厚生労働省による食事摂取基準では、1日350gの野菜を摂取するよう推奨しています。350gの野菜は、生野菜にして両手いっぱいほどのものです。少なくとも毎食ごとに野菜を使用したメニューを取り入れるようにしましょう。
緑黄色野菜は塩分の排出を促すカリウムが多く含まれていますので、塩分を摂りすぎたと感じたときはとくに意識して摂取してください。
和食のなかでも次のようなものの摂りすぎには注意しましょう。
塩分を少なめな和食を選ぶには、出汁や大葉・ねぎなどの薬味を活用したメニューがおすすめです。また、しょうゆなどを過剰に使用したものも避けた方が良いでしょう。塩やしょうゆをかけない焼き魚、しっかり出汁をとって調味料を減らした煮物、グリルした野菜などを選ぶようにしてください。
ハンバーガーは、パン粉、フライドチキン、魚のフライ、チーズの追加、ベーコン、マヨネーズ、高脂質のソースを摂り過ぎないようにしましょう。
フライドポテトには塩が振りかけられていることが多いので、塩分過多に気をつけてください。注文時に塩をふりかけないよう頼んでみることをおすすめします。
適切な温度の油で調理されたフライドポテトは、揚げ油の吸収が多くありません。衣やポテトがざらついている場合、十分に熱くない油で調理された可能性があります。
揚げ物はじっくり揚げていることが多く、油を多く吸収しています。衣がついているものは、ほぼすべて脂肪分が高いメニューです。甘辛の肉団子も油で揚げられてから調理されています。揚げ油を多く吸ったえびせんや春巻きなどを、食事の最初に食べないようにしてください。
ピザを注文するときは、トッピングが低脂肪のメニューを選びましょう。飽和脂肪含量とカロリーの摂取量を増やしたくない場合は、追加でチーズを頼まないように注意します。
パスタはクリーム系ではなく、トマトや野菜をベースにしたメニューを選んでください。
果物や野菜の摂取量を増やして栄養バランスを整えるために、追加でサラダを頼んでください。
人気の高いグリーンカレーやレッドカレーなどタイカレーには、飽和脂肪酸が多いココナッツミルクが含まれています。タイ料理を選ぶときは、鶏肉、魚、野菜などが入った炒め料理や蒸し料理を食べましょう。
クリーミーなメニューと揚げ物は高脂質ですので避けましょう。脂肪の摂取量を減らすことを意識するのがおすすめです。野菜を多く使ったサイドディッシュと一緒に食べてください。
テイクアウトの食事は、脂肪や塩分がどれだけ含まれているか、カロリー量をチェックすることが大切です。栄養の偏りは病気や不調を招きますので、サイドメニューで野菜摂取量を増やすなど工夫しながら健康的な食生活を送りましょう。