記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/7 記事改定日: 2020/5/8
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病は、国民病と言われることもあるほど発症数が多く有名な病気です。これほどポピュラーな病気ありながら、自覚症状が乏しいこともあり気づいたときにはかなり進行しているケースも少なくありません。
この記事では、糖尿病の前兆やサインについて解説していきます。セルフチェックリストも紹介するので、早期発見に役立ててください。
糖尿病は、初期段階では目立った自覚症状はあまり出ません。ただ、自覚症状はなくてもそのまま進行していきます。
はっきりとした自覚症状は出にくいですが、前兆として下記の症状が出ることがあるので、思い当たることがある場合は早めに検査に行きましょう。
血糖値が高い状態が続くと、腎臓は血中のブドウ糖を尿として排出しようとするため、多尿や頻尿になります。
多尿や頻尿になると体内の水分は足りなくなるため、のどの渇きを感じやすくなります。そして水分をたくさんとることで、再び多尿の状態を招くことになります。
高血糖の状態が続くと体内のインスリンの働きが悪くなり、炭水化物などの糖質をエネルギー源として吸収できなくなっていきます。
そして代わりに脂肪や筋肉をエネルギー源として使うようになるため、異様に疲れやすくなり、体重が減少したり、食欲が異常に増えたりすることもあります。
糖尿病になると、足のしびれや冷え、火照り、痛み、こむら返りなど、感覚・運動障害が出ることがあります。これは糖尿病の合併症の一つ「糖尿病性神経障害」の可能性のある症状で、すでに初期段階ではなく、糖尿病がある程度進行しているサインです。
糖尿病になると血中のブドウ糖が増え、血液がドロドロになり、足先まで酸素が行き渡らなくなります。すると末梢神経に異常が出て、足の感覚が麻痺し、上記の症状が出るようになるのです。
また、下記のような変化が出ることもあるので注意しましょう。
糖尿病性神経障害が進行すると、血流の悪化や免疫機能の低下によって、足の爪や皮膚に以下の異変が見られることがあります。
糖尿病性神経障害が進行すると、もっと足の感覚は鈍くなり、皮膚のひび割れやタコができても気付きにくくなります。するとそういった傷から細菌が侵入し、感染症を起こして皮膚の細胞が壊死し、腐敗部分が変色して、足の切断を余儀なくされることもあります。
血中のブドウ糖を排出するために多尿になると、皮膚の水分も不足して乾燥し、かゆみが引き起こされることがあります。
また、糖尿病になると感染症にかかりやすくなるため、カンジダなどの真菌に感染して陰部がかゆくなることがあります。
そのほか、高血糖状態が続くと末梢血管が傷つき、顔や手足の皮膚が赤くなることがあります。
糖尿病は重症化して何らかの合併症が生じるまで自覚症状がないことが多く、発見が遅れがちな病気です。次のような糖尿病のサイン・リスク要因・進行中の症状に当てはまる項目が多い場合は、早めに病院で検査を受けるようにしましょう。
ただし、これらの項目はあくまでも目安であり、当てはまるものがない場合でも糖尿病を発症する可能性がないわけではありません。自身の血糖の状態を正しく知るには、健康診断や検診などで定期的な検査を行うようにしましょう。
近年では食生活の乱れなどから子供でも糖尿病になるケースが増えています。また、生まれつきインスリンの分泌が極端に少なく、糖尿病を発症するケースも少なくありません。
一方で、子供は自分の体調の変化を言葉で訴えることができないものです。糖尿病の初期症状は大人であっても分かりにくいものですので、両親や家族が早めに変化に気づけるように気を配りましょう。具体的には、次のような変化や症状があるときは要注意です。できるだけ早めに病院を受診するようにしてください。
糖尿病は進行するとともに、上記のような症状が現れやすくなっていきます。足の症状が出たときにはすでに症状が進んでいる段階なので、血糖値が高めの方は、のどの渇きや多尿などの前兆症状の段階で一度病院を受診してください。