記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/27 記事改定日: 2019/4/24
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
帯状疱疹では、紅斑が現れる前と水ぶくれが生じている間に痛みが起こります。こちらの記事では、帯状疱疹の痛みがどのようなものであるか、痛みの原因、痛みへの対処法について解説します。
帯状疱疹とは、子供の頃などに感染した水痘ウイルスが再び活性化することによって起こる病気です。発症すると紅斑や水疱(水ぶくれ)が体の片側に帯状に広がるだけでなく、場合によっては耐え切れないほどの強い痛みや痒みを伴います。
帯状疱疹の痛みには段階があり、まずは紅斑が生じる1週間ほど前に現れます。以下は初期の痛みの特徴です。
神経に沿って紅斑が現れるようになると軽い発熱や頭痛、リンパ節の腫れが見られ、同時にズキンズキンとした痛みが生じます。
その後紅斑の上に水疱ができると、水疱は2~3日で膿を持ったのち、4~5日で破れてびらん(ただれ)になります。
発症後1週間程度水疱は増えるものの、2週間頃にはかさぶたになり、3週間後にはかさぶたが落ちて治癒するのが一般的です。痛みも水疱の治癒と同時に消失します。
医療機関での帯状疱疹の痛みに対する治療では、非ステロイド抗炎症薬やアセトアミノフェンが投与されたり、痛みがあまりにもひどい場合には神経ブロック注射が行われたりします。
胃腸以外では、以下のような対策で痛みが和らぐことがあります。事前に医師と相談したうえで試してみてください。
冷たさや寒さによって血行が悪くなると、帯状疱疹の痛みはより強まります。そのため、ゆっくりと入浴して全身を温めたり患部をカイロで温めたりするなど、血流を良くしましょう。
衣服が擦れると痛みが増すことがあります。衣服が直接肌に触れないよう、包帯やさらしを巻くと良いとされています。
仕事や趣味などに打ち込んでいる時間は痛みを感じにくいと言われています。痛みのことばかりを考えず、趣味や外出などの時間を積極的に持つことが大切です。
帯状疱疹の痛みは、ロキソニン®などの鎮痛剤で軽減することもありますが、効果は一時的なものです。服用を繰り返すことで薬剤性の頭痛や胃腸障害などの副作用を引き起こすこともあり、帯状疱疹自体の痛みが悪化することも少なくありません。
帯状疱疹の痛みがあるときは、安易に市販薬を使用せずに必ず医師に適切な治療薬を処方してもらうようにしましょう。
帯状疱疹の痛みは、基本的には疱疹が消えると同時に治まっていきます。疱疹が消失しても3ヶ月以上痛みが継続している場合には、帯状疱疹後神経痛(PHN)のおそれがあります。
帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹が治ってから3ヶ月以上経ってもぴりぴりとした痛みが継続するものです。耐え難いほどの激痛を生じるケースが多く見られ、難治性の慢性痛となることも珍しくありません。帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹によって神経が傷つき、神経痛がそのまま残ってしまうことが原因で起こるとされています。
たいてい痛みは1~3ヶ月ほどで治まるとされていますが、10年以上続くこともあるため、早期の治療が肝心です。痛みがいつまでも落ち着かない場合には速やかに病院を受診してください。
帯状疱疹の痛みはぴりぴり、ひりひりとしたものから始まり、水疱が現れるとズキンズキンとしたものに変わります。疱疹が消えた後にもぴりぴりとした痛みが続く場合には帯状疱疹後神経痛のおそれがあり、注意が必要です。帯状疱疹後神経痛では早めに治療を始めることが推奨されているため、痛みが続く場合はためらわずに受診しましょう。