記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/4/16
記事監修医師
前田 裕斗 先生
なかなか妊娠しないとき、カンジダ症が不妊の原因ではないかと思ったことはありませんか。カンジダ症は、免疫力の低下やホルモンバランスの変化が原因で起こる病気といわれていますが、こうしたことが不妊につながっているのでしょうか。この記事で解説したいと思います。
カンジダ症を放置したからといって、妊娠しづらくなるわけではありません。ただ、カンジダ症を発症すると腟内のバランスが崩れて精子の働きが弱くなって卵巣に到達しづらくなるため、結果的に妊娠しづらい状態になってしまうことはあり得ます。
カンジダ症を放置すると、外陰部のかゆみが強くなります。その結果、ひっかいて外陰炎を起こしたり、痛みがひどくなったりすることがあります。
また、男性がカンジダ症を放置した場合は、かゆみとともに、二次感染を起こして包皮から膿が出ることがあります。
妊娠中の女性は、その時期を問わずカンジダ症を発症しやすいと言われています。これは、妊娠によってホルモンバランスが変化したり、つわりによる体力や免疫力の低下などによってカンジダ菌が繁殖しやすいためと言われています。
妊娠初期にカンジダ症を発症しても、赤ちゃんに影響を及ぼすことはありません。しかし、症状を長引かせてしまうと、治りきらないまま出産日を迎えてしまうことになるため、妊娠初期のうちに治療することが大切です。
というのも、出産時にカンジダ症を発症したままだと、赤ちゃんが産道を通るときにカンジダ菌に感染してしまい、鵞口瘡(がこうそう)になって口の中に白い「かす」のようなものが出たり、おむつかぶれがひどくなったりすることがあるからです。赤ちゃんにカンジダ菌をうつさないためにも、妊娠中の早い段階で治療することが重要なのです。
カンジダ症を放置しても、自然治癒することはありません。増えてしまったカンジダ菌は自然に減ることはないため、かゆみや痛みといった不快な症状がそのまま続いたり、悪化したりする可能性があります。
また、カンジダ症以外にも外陰部のかゆみを伴う症状が出る病気があります。自然治癒すると信じて放置しないで、婦人科で適切な治療を受けるようにしましょう。
カンジダ症が直接不妊の原因になることはありませんが、カンジダ症によって腟内のバランスが崩れることで精子の働きが弱くなり、妊娠しづらくなることはあり得ます。カンジダ症は放置しても自然治癒することはありませんので、外陰部のかゆみや痛みが続くときは、病院で診てもらいましょう。