記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/4/17
記事監修医師
前田 裕斗 先生
「カンジダ症が不妊の原因になる」というのは本当でしょうか?
また、本当だとしたらどのような理由があるのでしょうか?
今回の記事では、カンジダ症と不妊の関連性を解説します。
結論をいうと、カンジダ腟炎が直接的に不妊の原因になることはありません。
ですが、カンジダ腟炎があるということは、腟内環境の乱れを示唆していると言えます。カンジダ腟炎は膣内がよりアルカリ性になると生じやすい傾向にあるからです。
通常腟内は弱酸性に保たれており、カンジダ腟炎を発症しているということは本来の腟の状態とは異なります。このためカンジダ腟炎を発症している状態では、妊娠に影響を及ぼす可能性があるという説があります。ただしこれは科学的に証明されているわけではありません。
そもそもカンジダ症にかかると会陰が痒く不快感も出るため、きちんと治療して腟の環境を正常な状態に戻すことがおすすめです。
先述の通り、カンジダ腟炎を放置していても直接不妊につながるわけではありません。
ですが、出産時にカンジダ腟炎が治っていないと、赤ちゃんが産道を通って生まれてくるときにカンジダ症に感染する可能性が高くなり、産道で感染してしまった場合には赤ちゃんが鵞口瘡(がこうそう:舌に白いカビが生じる)や皮膚炎を発症するリスクがあります。
妊婦健診中にカンジダ腟症を指摘された場合は、お薬を使うのはちょっと…と思わず積極的に治療することがおすすめです。
カンジダ腟炎が直接的に不妊の原因になることはありませんが、カンジダ腟炎があるということは腟内のpHが乱れているサインでもあります。痒みが出ることも多いですから、積極的な治療がおすすめです。妊娠中も治療可能な病気ですから、健診中に指摘された場合はそのまま抗生剤を腟内に挿入してもらいましょう。