記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/25
記事監修医師
前田 裕斗 先生
カンジダ腟炎になったときに渡される、腟の中に入れる錠剤(腟錠)。はじめてこの病気になったとき、おそるおそる入れて痛みが出て「もう二度と使いたくない!」と思ったことはありませんか。実は、カンジダ腟炎の錠剤を入れるのはコツがあります。この記事では、治療のために錠剤を使うときに気になることについて解説したいと思います。
カンジダ腟炎を治療するときに、錠剤(腟錠)を処方されることがあります。ただ、普段腟の中に錠剤を入れることはあまりないため、初めてのときはもちろん、何度かカンジダ症を再発したことがある人でも、緊張しすぎて無理な力が入って痛くなることがあるかもしれません。
また、腟の入口が潤っていなかったり、乾燥していたりすると、粘膜がこすれて痛くなることもあります。また、すでに炎症がひどくなっているときも、薬を入れるだけで激痛が走ることがあります。
錠剤を入れるときは、前かがみになったり、片足をイスにのせてみたりなどしながら、自分にとって楽な姿勢で入れるようにしましょう。また、シャワーやビデで軽く腟の中を湿らせたり、潤滑ゼリーを使ったりするのもおすすめです。
でも、何をしても痛みが強すぎて我慢できないときは、医師に相談すれば薬を変えてもらえる可能性があります。我慢しないで、一度相談してみてください。
錠剤を使った次の日に、おりものと一緒に形が崩れた錠剤が出てくると、使い続けていいのだろうかと不安に思うかもしれません。
腟に入れる錠剤は、腟内でカンジダ菌に直接作用することでカンジダ腟炎を治します。おりものと一緒に出てきた錠剤は、効果を発揮した後のものである可能性が高いため、心配は無用です。
ただし、おりものと一緒に出てきた錠剤が下着に付着したままだと、蒸れる原因になって腟の周辺が不衛生になる恐れがあります。治療中はおりものシートを使い、こまめに交換するようにしましょう。
治療のために錠剤を使う場合、腟のあたりに熱っぽさや刺激感、かゆみや赤身、痛みが起こる可能性があります。もし、このような副作用がみられたらすぐに錠剤の使用をやめ、医療機関で診察してもらってください。
カンジダ腟炎が治るまでは、性行為は控えましょう。というのも、治療期間中に性行為をすることで、パートナーにカンジダ菌をうつしてしまう可能性があるためです。また、性行為で腟内を刺激してしまうと、カンジダ腟炎の症状を悪化させる恐れもあります。
カンジダ腟炎は、適切に治療すれば1~2週間ぐらいで治る病気です。完治するまでは治療に専念しましょう。
カンジダ腟炎の錠剤は、楽な姿勢を見つけたり、シャワーやゼリーを使ったりすると痛みがなく挿入できるようになります。ただ、どんなに工夫しても痛みがひどい場合は、別の薬に変えてもらえる可能性があるので、我慢せずに医師に相談してみてください。