記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/13
記事監修医師
前田 裕斗 先生
お腹の痛みや月経(生理)の血が多い状態が続くと、子宮のトラブルが起きているのかな・・・と不安になりますよね。この記事では、子宮内膜症になるとどんな症状があるかや、子宮内膜症と子宮筋腫を同時に発症することがあるかどうかなどを解説します。
子宮内膜症を発症すると、以下のような症状がみられます。
・月経痛がひどい
・下腹部の痛み
・腰痛や股関節痛
・排便時の痛み
・性交痛
もしこのような症状がみられたら、子宮内膜症を発症している可能性があります。早めに婦人科で検査してもらいましょう。
子宮内膜症は、本来なら子宮内にあるはずの子宮内膜に似た組織が、何らかの原因で子宮の外(卵巣やお腹など)にできて増殖や出血を繰り返す病気です。発症すると、組織や血がお腹の中にたまってしまうため、お腹や腰などに痛みが生じます。
一方、子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍です。筋腫が小さいうちは自覚症状がほとんどありませんが、大きくなってくると経血量が増えたり、下腹部痛や腰痛、頻尿といった症状がみられます。
子宮内膜症だけでは経血量は増えにくいことから、子宮内膜症を抱えている方で、経血量が異常に多い場合は、子宮筋腫も併発している恐れがあります。
子宮内膜症の治療法として、薬物療法と手術療法があります。薬物療法には鎮痛薬を使う「対症療法」と「ホルモン療法」があり、手術療法には腹腔鏡手術と開腹手術があります。手術は、進行度合や妊娠希望の有無に応じて、病巣部分だけを取り除く手術か、卵巣や卵管、場合によって子宮を取り除く手術が行われます。
一方、子宮筋腫の治療法も手術療法と薬物療法があります。手術療法では、妊娠の希望がある場合は、筋腫だけを取り除く筋腫核出術が、特に今後の妊娠希望などない場合は単純子宮全摘出術が行われるのが一般的です。
また、薬物療法ではホルモン療法が行われます。ホルモンの分泌量を抑えることで筋腫の発育を抑えたり、筋腫を小さくする、ピルや黄体ホルモン製剤を用いて経血量の減少を図る方法があります。薬物療法は、手術を希望しない方や、手術前に筋腫を小さくして出血量を抑えたい場合に行われます。
子宮内膜症は、月経時の下腹部の痛みや腰痛、排便時痛や性交時痛など痛みに関連した症状がみられます。また、経血量がものすごく多い場合は、子宮筋腫も同時に発症している可能性があります。気になる症状がみられたら、早めに婦人科で診てもらいましょう。