妊娠中、歯医者で麻酔やレントゲン撮影をしてもいいの?

2018/4/26

記事監修医師

日本赤十字社医療センター、歯科・口腔外科

川俣 綾 先生

「麻酔を使ったら赤ちゃんに悪い影響が出るんじゃ・・・」「X線(レントゲン)撮影をしても平気なの?」など、妊娠中に歯の治療を受けるときに不安に思ったことはありませんか?
そのような心配を解消すべく、今回は妊娠中に歯医者で麻酔やX線(レントゲン)撮影などの治療を受けても赤ちゃんへの影響はないのか、妊娠中の歯科治療で注意することはないかをお伝えします。

妊娠に気づかずに歯医者で麻酔を受けても大丈夫?

歯医者で一般的に使われる麻酔は浸潤麻酔とよばれ、歯の周囲の神経(歯髄)を麻痺させる働きがあります。
麻酔の効果は比較的短時間でなくなり、局所で分解されるため全身には影響しないといわれています。
中には含まれている血管収縮剤が子宮を収縮させるために早産を引き起こす可能性があるといわれる局所麻酔薬もありますが、一般的に使われているものではないため、妊娠初期であればほとんど問題ないと考えて良いでしょう。

妊娠に気づかず、歯医者でレントゲンを撮っても大丈夫?

X線(レントゲン)写真についても、胸部や腹部に直接照射するような撮影は妊娠中は避けるようにしましょう。ですが、散乱線が少なくなったことやフィルムの感度も高くなったことで被ばく量が少なくなったため、通常の歯科治療で撮影されるX線(レントゲン)写真であればほとんど心配要りません。

※ただし、妊娠中のX線(レントゲン)写真を推奨するものではありません

妊娠中は歯医者で虫歯治療をしてもいいの?

妊娠中に歯医者に行くことへの制限はありません。
反対に妊娠中は通常時よりも虫歯になりやすいので、体調が良ければ定期的に歯科健診を受けるのがおすすめです。

ただし、虫歯や歯周病が発見されて治療が必要になった場合は気をつけなければいけません。
基本的に虫歯の治療や麻酔などが赤ちゃんに悪影響を及ぼすことはないのですが、妊娠初期はつわりをはじめとした体調不良が起こりやすい時期なので、治療を受けるのは妊娠中期~臨月になる前にしましょう。

また、妊娠時期によって歯医者を受診するときの注意点は異なるので、それぞれの時期にどのような注意が必要なのかを確認しましょう。

妊娠初期(~妊娠4ヶ月ごろまで)

妊娠初期はつわりをはじめとした妊娠初期症状によって体調がすぐれない妊婦さんが多いです。
薬剤の匂いを嗅いだり、口の中に器具を入れられたりするだけで気持ち悪くなることもあるので、妊娠初期の歯科治療はなるべく控えましょう。

歯が痛む場合は応急処置にとどめ、妊娠中期に入ってから治療するのがおすすめです。

妊娠中期(妊娠5ヶ月~7ヶ月ごろまで)

個人差はありますが、妊娠中期には体調が落ち着く妊婦さんが多いので、医師から特別な指示を受けていなければ歯科治療を受けることができます。
妊娠後期になると再び治療が難しくなってくるので、虫歯治療や麻酔が必要な抜歯などは妊娠中期のこの時期に解消しておきましょう。

妊娠後期(妊娠8~10ヶ月ごろまで)

妊娠後期は治療台に仰向けになるとお腹が圧迫されやすいので負担が大きいです。
医師から切迫早産の傾向があるといわれた妊婦さんは特に、妊娠後期の治療は控えるようにしましょう。

また、臨月に入ってからはいつ陣痛が起きてもおかしくないので、緊急でない限りは応急処置や予防処置に留めておき、出産後に治療を始めるようにしましょう。

おわりに:妊娠中の歯科治療に関する注意は時期によって違う

歯医者で麻酔やX線(レントゲン)撮影をするとお腹の赤ちゃんに影響はないかと心配になる妊婦さんも多いようですが、基本的には問題なく治療することができます。

むしろ、歯科治療によるリスクよりも虫歯や歯周病などを放置して状態を悪化させてしまうことで生じるリスクの方が高いので、自分の体調と歯科医と相談しながら、状況に応じてできる処置をしてもらいましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

歯医者(6) 妊娠中(34) 麻酔(4) X線(レントゲン)(2)