記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/20 記事改定日: 2019/12/10
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠検査薬のフライング検査とは、規定よりも早い時期に検査してしまうことです。フライング検査をすると、妊娠しているのに陰性反応が出てしまうこともあります。
この記事では、フライング検査について解説しています。正しく妊娠検査薬を使うための参考にしてください。
妊娠検査薬では、妊娠することで増加するhCGホルモンの尿中の量で妊娠の成否を判断しますが、適切な時期に使用しないと検査の精度が落ち、正しい結果が得られません。
規定よりも早い時期に検査する「フライング検査」では、たとえ妊娠していてもhCGホルモン値がまだ検査可能数値まで達しておらず、陽性反応が出ないことも多いです。
また逆に、フライング検査では妊娠の陽性反応が出ていたのに、その結果が間違いで、ぬか喜びになって辛い思いをする女性もいます。
フライング検査をしたときには、検査の精度が落ちている可能性があることを踏まえ「妊娠したかも」という心構えでいて、きちんと既定の時期に再検査することが大切です。
フライング検査で陰性であっても、上で述べたように妊娠のごく初期の可能性もあります。
フライング検査は正確な検査ではありませんので、開始予定日の一週間を過ぎても生理が来ないときは再度検査を行いましょう。
また、妊娠検査薬の適正な使用時期でなく、フライング検査で陰性の場合でも次のような症状があるときはホルモンバランスや排卵の異常、ごく初期の子宮外妊娠などの可能性があるのでできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
妊娠検査薬によるフライング検査で妊娠の陰性反応が出たにもかかわらず、なかなか生理が来ない原因としては、以下のようなものが考えられます。
上記のいずれの場合も、検査薬で既定の時期に再検査したり、婦人科の病院で検査・相談することで、原因の究明と対処法の相談をすることができます。
妊娠検査薬には、一般的な「妊娠検査薬」と「早期妊娠検査薬」があります。
どちらも尿中のhCGホルモン値の量から妊娠の成否を判断するという点は共通ですが、早期妊娠検査薬の方が、より少ないhCGホルモン値から検出することができます。
このため、早期妊娠検査薬は理論上妊娠3週ごろ(最終月経日から数えると21~27日、高温期にすると8~14日目)から、妊娠の陽性反応を得られるといわれています。
ただし、排卵日は月経周期が順調な人でも数日程度は容易にずれます。確実な判定のためにはさらに1週間程度待ってからの検査が望ましいでしょう。
一般的な妊娠検査薬の場合は「生理予定日の1週間後以降」から、正確な妊娠の陽性反応を確認できるようになるといわれています。
妊娠周期で言うと妊娠4週(最終月経日から数えると28~34日目、高温期にすると17日目以降)くらいからと考えると良いでしょう。
また、一般的な妊娠検査薬を使って、早期妊娠検査薬のようなタイミングでフライング検査を行うと精度に欠けるため、既定の時期を守って検査するようにしてくださいね。
妊娠検査薬、早期妊娠検査薬の検査で妊娠の陽性反応が出ている場合でも、病院での検査を受けるのは胎嚢が確認できる妊娠5~6週目がベストだといわれています。
検査薬で陽性反応が出てすぐに病院に行っても、妊娠3~4週の超初期ではまだ胎嚢が確認できないため、妊娠の確定診断が難しく再来院を促される可能性が高いです。
また、逆に受診のタイミングが遅すぎても、子宮外など異所性妊娠(子宮外妊娠)の発見が遅れるため、赤ちゃんとお母さんのどちらにとっても望ましくありません。
妊娠検査で病院を受診するなら、胎嚢が確認できる妊娠6週目ごろと覚えておいてください。
一般的な妊娠検査薬は生理予定日の1週間後以降(妊娠4週目以降)から、早期妊娠検査薬は生理予定日の2~3日前(妊娠3週目以降)と、使用可能となる時期が決まっています。
それよりも早い時期にフライング検査しても、検査の精度が落ちるため、適切な結果が得られないことも少なくありません。本当は妊娠しているのに陰性になることも考えられますので、妊娠検査薬は正しいタイミングで使用するようにしてくださいね。